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【障害福祉報酬】令和8年度の報酬引き下げ案とは?ポイント整理

2025/12/18

障害福祉施設向け最新ニュース

【障害福祉報酬】令和8年度の報酬引き下げ案とは?ポイント整理

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援、そして障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!

12月16日に厚生労働省で開催された障害福祉サービス報酬を話し合う有識者会議で、放課後等デイサービスや児童発達支援および就労継続支援B型の基本報酬を引き下げる案などが提示されました。

対象は新規指定事業所となるようですが、提案された来年度の臨時改訂案の概要を詳しくお伝えします。

参考資料
令和6年度報酬改定後の状況を踏まえた課題
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課・障害福祉課(R7.12.16)

令和6年度報酬改定後の動向について
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課・障害福祉課(R7.12.16)

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令和8年度「報酬引き下げ案」とは?

【検討の背景】

障害福祉サービス費は年々増加しています。このため厚労省は、「質の確保」と「制度の持続可能性」の両立を目的に、一部サービスについて臨時的な報酬見直し(引き下げ)を検討しています。

『令和6年度報酬改定後の状況を踏まえた課題より』 ー引用ー 

障害福祉サービス等に係る予算額が、障害者自立支援法の施行時から4倍以上に増加し、特に令和6年度報酬改定後において総費用額が+12.1%の伸び(一人あたり総費用額:+6.0%、利用者数:+5.8%)となっている。
また、こうした中で、引き続き人材確保が課題となっているとともに、本来の制度趣旨に沿わないで加算を算定する事業者も散見されるなど、サービスの質の低下も懸念される状況。

このため、喫緊の課題である従事者の処遇改善に加えて、利用者に提供されるサービスの質を確保しつつ、制度の持続可能性を確保する観点から、令和8年度に臨時応急的な見直しを実施する。

議論の方向性

1. 就労移行支援体制加算の見直し
就労移行支援体制加算について、事業所で算定対象となる就職者数に上限(定員数までを原則)を設定するなど、適正化を行う。

 

2. 就労継続支援B型の基本報酬区分の基準の見直し
就労継続支援B型について、平均工賃月額の算定方式の見直しにより見直しの意図と異なる形で高い報酬区分の事業者が増えたことに対応し、基本報酬区分の基準の見直しを行う。

 

3. 制度の持続可能性を確保するための見直し

収支差率(注1)が高く、かつ、事業所が急増しているサービスについて、サービスの質を担保しつつ、制度の持続可能性を確保する観点から、新規事業所に限り、令和8年度について一定程度引き下げた基本報酬を適用する。
(既存事業所については従前どおり)


この急増しているサービスとは、
・年間総費用額全体に占める割合が1%以上
・令和6年度の収支差率が5%以上あるサービス
・事業所の伸び率が過去3年間5%以上の伸び
のサービスになりますが、就労継続支援B型、共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)、児童発達支援、放課後等デイサービスが該当します。

(注1)障害福祉サービス事業における収支差とは、事業の経営状況を示す重要な指標であり、主に会計上の「収支差額」または「収支差率」を指し、事業活動による収入から支出を差し引いた差額になります。

放課後等デイサービス・児童発達支援への影響

 対応 

新規指定事業所に対し、基本報酬を引き下げ
※ 既存事業所は当面据え置き

 時期 

令和8年6月施行を想定

 背景 

事業所数の伸びが著しいサービスについて、
「事業者側はニーズ調査をせずにどんどん参入してきており、先行して開設した後に利用者を募るという状況がみられる」と、近年の事業所数の急増は、必ずしもニーズを反映したものではない可能性があるため。

就労継続支援B型への影響

 対応 

新規指定事業所に対し、基本報酬を引き下げ

【新算定式】
年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数÷年間開所日数)÷ 12月

※ 既存事業所は下記条件から当面据え置きとなる模様
・平均工賃月額が約6千円上昇していることを踏まえ、その一定割合分(例:上昇幅の1/2)、基準額を引き上げる。その際、令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、見直しの適用対象外。
・見直しにより区分が下がる事業所も、その影響が一定の範囲内に収まるよう配慮する。
・令和6年度改定で単価を引き下げた区分7と8の間の基準については引き上げず、据え置く。

 時期 

令和8年6月施行を想定

 背景 

平均工賃月額の算定方式の見直しにより、見直しの意図と異なる形で高い報酬区分の事業者が増えたことに対応し、基本報酬区分の基準の見直しを行うものです。

その他サービスへの影響

 対象 

就労継続支援A型、就労継続支援B型、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)

 対応 

就労移行支援体制加算について、一事業所で算定可能となる就職者数に上限(定員数までを原則)を設定
同一事業所だけではなく、他の事業所において過去3年間で算定実績がある利用者について、都道府県知事又は市町村長が適当と認める者を除き、算定不可であることを明確化する。

 時期 

令和8年6月施行を想定

 背景 

一般就労への定着に向けた継続的な支援体制が構築されている事業所を評価するため前年度の就職者数に応じた加算を設定している加算だが、同一の利用者がA型事業所と一般企業の間で複数回離転職を繰り返し、その都度加算を取得するという、本来の制度趣旨と異なる形で算定されているため。

まとめ

令和8年度に向けて、基本報酬を引き下げる案が検討されています。
引き下げ案の対象は、放課後等デイサービス・児童発達支援、就労継続支援B型の「新規指定事業所」です。
就労移行支援体制加算については、上限を設けるなどの対応が含まれています。

あくまでも来年度の限定措置となっていますが、この措置の影響を検証しながら、令和9年度の報酬改定につながっていくことでしょう。今後も動向に目が離せません。
今後も報酬改定の議論の動向には注視していきましょう。

※ この記事の内容は、厚生労働省資料をもとに現時点の情報を整理したものです。今後の正式決定・通知内容により変更となる可能性があります。

さいごに

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