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2026/02/27
放課後等デイサービス運営お役立ちコラム
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
運営指導(実地指導)は、概ね3年に1度実施されます。運営指導が強化されるという中で自治体により実施には差があり、未だに運営指導(実地指導)を受けていないという事業所もあるのではないでしょうか。
「運営指導(実地指導)の通知が届いて、何から準備すればいいのか分からない」 「書類に不備があったらどうしよう?指定取り消しになるの?」
など、放課後等デイサービスや児童発達支援を運営する経営者や管理者の皆様にとって、行政による指導は非常に大きなプレッシャーかと思います。
はぐめいとでもたくさんの記事がありますが、今回は基本からまとめた「2026年の最新版」としてご紹介します。
まずは、運営指導(旧:実地指導)の基本的な目的や位置づけを正しく理解しましょう。
運営指導はあくまで「より良い支援のための助言」を受ける機会です。正しい知識と適切な準備があれば、過度に恐れる必要はありません。
運営指導は、都道府県や政令指定都市などの指定権者が、事業所に対して行う定期 的な確認指導です。
1. 障害福祉サービスの質の確保:個別支援計画に基づいた適切な支援が提供されて いるか、利用者の権利擁護が図られているかを確認します。
2. 障害児通所給付費の適正化:不正請求や誤請求がないか、公費が法令に基づき正 しく使われているかを確認します。
3. 事業所の育成・支援:法令解釈の相談対応や、運営上の課題に対する助言を行 い、適正な運営を促進します。
つまり、運営指導は事業所を「罰する」ためではなく、「育成・支援する」ために行われるものです。行政の担当者と一緒に運営状況を振り返り、改善点を見つけるポジティブな 機会と捉えましょう。
【注意】
法令遵守の重要性 児童福祉法第21条の5の29には、虚偽報告や検査拒否・妨害に対しては、指定の取り消し、または期間を定めて事業の全部もしくは一部の停止を命ずることができる旨が明記されています。
誠実な対応が何よりも重要になります。
【名称変更について(2024年度〜)】
これまで「実地指導」と呼ばれてきましたが、2024年4月(令和6年度)から正 式名称が「運営指導」に変更されました。
これは、必ずしも「実地(現地)」 に行かなくても、Zoomなどのオンライン会議ツールを活用して指導が可能になったこと(オンライン運営指導の導入)が背景にあります。
※ 本記事では、「実地指導」という言葉も併記しながら説明します。
多くの経営者が最も恐れているのは「監査」になります。「運営指導」と「監査」は明確に異なります。
例えなら、運営指導は定期的な健康診断のようなものですが、監査は「病気の疑いがある時の精密検査・手術」のようなものになります。
| 項目 | 運営指導(旧:実地指導) | 監査 |
|---|---|---|
| 目的 | 育成・支援・助言 | 不正事実の確認・処分の判断 |
| 対象 | 全ての事業所(定期的) | 法令違反や不正請求が疑われる事業所 |
| 事前通知 | 原則あり(1ヶ月前〜2週間前) | 原則なし(抜き打ち) |
| 雰囲気 | 比較的穏やか(対話ベース) | 非常に厳しい(証拠保全・尋問的) |
| 結果 | 口頭指導・文書指導(改善報告) | 指定取り消し・効力停止・返還命令 |
【運営指導から監査へ移行するケース】
運営指導中に以下の疑いが生じた場合、その場で中止され、直ちに「監査」へ切り 替わることがあります。
・著しい運営基準違反が確認された場合(例:人員配置基準を全く満たしていない)
・不正請求の事実が濃厚な場合(例:架空請求、記録の改ざん)
・利用者への虐待が疑われる場合 虚偽の報告や答弁を行った場合
特に「虚偽の報告」や「記録の隠蔽・改ざん」は、監査移行の決定的な引き金とな ります。ミスがあった場合は素直に認め、修正する姿勢が何より重要です。
「集団指導」は、指定権者が複数の事業者を一箇所(またはオンライン)に集めて行う講習会です。
・実施頻度:年1回程度
・内容:制度改正の周知、過去の指導事例の共有、報酬改定のポイント解説など
・参加義務:原則参加必須(欠席した場合、運営指導の優先対象になることがあります)
指定障害福祉サービス事業者等指導指針では、「指定有効期間(6年間)内に最低1回以上」実施することが望ましいとされています。
多くの自治体では、概ね3年に1回程度のペースで実施しています。ただし、以下のような場合は優先的に実施される傾向があります。
・新規指定事業所:開設後6ヶ月〜1年以内(適切な運営体制が整っているか早期に確認するため)
・通報・苦情が多い事業所:利用者や保護者、職員からの通報があった場合
・前回の指導で改善が不十分だった事業所
・売上が急激に伸びている事業所(過剰な請求の疑いがないか確認するため)
運営指導は、当日の対応だけでなく、事前の準備から事後の報告までが一連のプロセスです。時系列に沿って具体的なアクションを確認しましょう。
原則として実施日の1ヶ月前〜2週間前までに、事業所宛に「運営指導の実施通知書」が郵送(またはメール)で届きます。
通知が届いたら、直ちに開封し、以下の内容を確認してください。
【通知書の主な記載内容】
・実施日時:日付と時間(例:10:00〜16:00)
・実施場所:事業所所在地(またはオンライン)
・導担当者:自治体の担当者名(通常2〜3名)
・対象期間:確認対象となる期間(直近1年分など)
・事前提出資料:提出期限と様式
・当日準備資料:当日閲覧できるようにしておくべき書類リスト
(注)日程の都合が悪い場合(管理者が冠婚葬祭や病気で不在など)は、正当な理由があれば変更を相談できますが、原則的には指定された日程で行われます。
通知書と共に送られてくる(または自治体HPからダウンロードする)「事前提出資料(自己点検シートや運営指導調書)」を作成し、指定された期限(実施日の1週間〜10日前が多い)までに提出します。
【主な提出書類】
・運営指導調書(事業所の基本情報、職員配置状況など)
・自己点検シート(人員・設備・運営基準、報酬算定基準)
・勤務体制一覧表(直近数ヶ月分)
・運営規程、重要事項説明書
・パンフレット、平面図
(注)ここで提出した資料(特に勤務表や自己点検シート)と、当日の実態に矛盾があると、虚偽報告を疑われます。慎重に作成し、提出前に必ずコピーをとって保管してください。
当日は、自治体の担当者2〜3名が事業所を訪問します。一般的なタイムスケジュールは以下の通りです。
| 時間 | 内容 | 確認ポイント・注意点 |
|---|---|---|
| 10:00 | 到着・挨拶・概要説明 | 管理者、児発管は必ず同席。名刺交換を行い、当日の流れを確認。 |
| 10:15 | 施設内巡視・設備確認 | 届出図面との整合性、消火設備の有無、危険箇所の有無、鍵の管理、プライバシー保護の状況などを確認。 |
| 10:45 | 人員・運営基準の確認 | 勤務表とタイムカードの照合、資格証原本の確認、運営規程・重要事項説明書の掲示状況など。 |
| 12:00 | 休憩 | 担当者は別室で休憩(または外出)。この間に午後必要な書類を整理。 |
| 13:00 | 個別支援・報酬請求の確認 | 最も時間がかかるパート。利用者数名分をサンプリングし、個別支援計画〜サービス提供記録〜請求までの一連の流れを徹底確認。 |
| 15:00 | 利用者・職員へのヒアリング | 必要に応じて実施。普段の支援の様子などを聴取。 |
| 15:30 | 講評(フィードバック) | 当日の確認結果、指摘事項、改善すべき点の口頭説明。 |
| 16:00 | 終了 |
1. 概ね良好:特段の指摘事項なし。
2. 文書指摘:改善が必要な事項あり。改善報告書の提出が必要。
3. 口頭指摘:軽微な不備。その場で指導され、改善報告書の提出は不要な場合が多い。
4. 返還命令:過誤調整(請求の取り下げ・再請求)が必要な場合。
文書指摘があった場合は、指定された期日(通常1ヶ月以内)までに「改善報告書」を作成し提出します。
【改善報告書の書き方例】
【指摘事項】
個別支援計画のモニタリングが一部実施されていない月があった。
【改善状況】
指摘を受けた利用者〇〇様の〇月分のモニタリングを実施し記録しました。また、再発防止策として毎月20日に児発管と管理者でモニタリング実施状況のダブルチェックを行う体制を整備しました。
【添付資料】
実施したモニタリング記録の写し、新たに作成したチェックリスト
運営指導でチェックされる項目は多岐にわたりますが、大きく5つのカテゴリーに分類できます。
それぞれのカテゴリーで重点的に見られるポイントと、よくある指摘事項を紹介します。
放課後等デイサービスの根幹である「人員基準」が満たされているかを確認します。
・勤務表(サービス提供職員、管理者、児発管)
・出勤簿・タイムカード
・資格証の写し(保育士、児童指導員等の証明)
・雇用契約書・労働条件通知書
・組織体制図
3-2 運営管理関係
事業所として適切な管理体制が敷かれているかを確認します。
・運営規程
・重要事項説明書・契約書
・苦情解決に関する記録
・事故・ヒヤリハット記録
・虐待防止・身体拘束適正化に関する委員会議事録・指針・研修記録
・BCP(業務継続計画)
・非常災害対策計画・避難訓練記録
最も重要な「療育の質」に関わる部分です。PDCAサイクル(アセスメント→計画→支援→モニタリング)が回っているかが厳しく見られます。
・個別支援計画書(原案・本案)
・アセスメントシート
・サービス担当者会議の記録
・モニタリング(評価)記録
・日々のサービス提供記録(業務日誌)
・連絡帳
「お金」に関わる部分であり、誤りがあると返還に直結します。
・サービス提供実績記録票
・国保連への請求明細書
・利用者負担金等の請求書・領収書
・加算算定に関わる根拠資料(体制届、研修修了証など)
・代理受領通知書
行政への各種届出が適切に行われているかを確認します。
・指定申請書類(副本)
・変更届(管理者変更、定員変更など)
・体制等に関する届出書
・業務管理体制の届出
特に、管理者や児童発達支援管理責任者が変更になったにもかかわらず、変更届が出されていないケースが散見されます(変更後10日以内の届出が必要)。
運営指導を乗り切るための最大の武器は「整理された書類」です。以下のリストを活用して、漏れがないかチェックしてください。
※自治体により異なりますが、一般的に求められるものです。
☐ 運営指導調書(事業所概要、職員状況等)
☐ 自己点検シート(人員・設備・運営基準、報酬算定基準)
☐ 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(直近分)
☐ 運営規程(写し)
☐ 重要事項説明書(写し)
☐ 事業所パンフレット・平面図
☐ 直近の決算書(貸借対照表、損益計算書)
当日は、これらの書類を種類ごとにファイリングし、すぐに提示できるようにしておきましょう。
【A. 人員・設備・運営関係】
☐ 出勤簿・タイムカード(過去5年分または指定期間分)
☐ 資格証・研修修了証の原本または写し
☐ 雇用契約書・辞令
☐ 組織図
☐ 苦情受付・解決記録
☐ 事故・ヒヤリハット報告書
☐ 各種委員会(虐待防止、身体拘束等)の議事録
☐ 消防計画書・避難訓練実施記録
☐ 賠償責任保険証券
【B. 利用者支援関係(利用者ごとにファイルを作成)】
☐ 受給者証(写し)
☐ アセスメントシート・フェイスシート
☐ 個別支援計画書(原案・本案・変更案すべて)
☐ サービス担当者会議の記録
☐ モニタリングシート
☐ サービス提供記録(日報)
☐ 連絡帳の記録
【C. 請求関係】
☐ サービス提供実績記録票(原本)
☐ 請求明細書・給付管理票
☐ 利用者負担額受領証・領収書(控え)
☐ 代理受領通知書(控え)
障害者総合支援法などにより、サービス提供に関する記録は「サービス提供の日から5年間」の保管が義務付けられている自治体がほとんどです(国の基準は2年または5年ですが、自治体条例で5年としている場合がほとんど)。
【電子データでの保管について】
近年はペーパーレス化が進み、電子データでの保管も認められています。ただし、以下の点に注意が必要です。
・必要な時にすぐに画面に表示できる、または印刷できる状態にしておくこと。
・改ざん防止措置が講じられていること(修正履歴が残るシステムなど)。
・個人情報保護の観点からセキュリティ対策がなされていること。
運営指導で最もダメージが大きいのは「報酬の返戻」です。悪意がなくても、要件を満たしていなければ返戻を求められます。
特に注意すべき4つを紹介します。
5-1 個別支援計画未作成減算
法的根拠:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第28条
減算率:基本報酬が50%減算(計画未作成の場合)、30%減算(計画更新遅延の場合)
リスク:数ヶ月分遡ると数百万円単位の返還になることもあります。
原因(例):計画書の作成日がサービス開始日より後になっている、保護者の同意印がない、期限切れのまま放置している。
5-2 サービス提供職員欠如減算
法的根拠:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第5条
減算率:報酬の30%減算(人員基準を満たさない状態が続いた場合、さらに重い処分も)
リスク:利用者全員分に適用されるため影響大。
原因(例):職員の急な退職や病欠で配置基準(児童指導員等2名以上など)を割っているのに、営業を続けた。
5-3 加算算定要件の不備
法的根拠:障害児通所給付費等の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第122号)
リスク:当該加算の全額返還。悪質な場合は監査へ移行する可能性も。
原因(例)
・児童指導員等加配加算:経験年数不足の職員をカウントしていた、常勤換算で1以上を満たしていない。
・専門的支援加算:有資格者(理学療法士、作業療法士等)が実際に支援に関与した記録がない、または記録の専門性が不十分。
・送迎加算:学校→事業所→自宅の送迎で、記録上の時間と実際の運行時間が矛盾している。運行記録(走行距離、ルート)の不備。
・延長支援加算:実際の延長時間が30分未満だった、延長支援を行った記録が具体的でない。
5-4 記録の整合性不備
法的根拠:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第37条(記録の整備)
リスク:記録の信用性が失われ、最悪の場合、架空請求とみなされ監査へ移行。
事例:「サービス提供記録では17:00まで利用」となっているのに、「送迎記録では16:30に出発」している。タイムカードの出勤時刻と勤務表の予定時刻が大幅にずれている。
【注意】記録改ざんは絶対にNG
運営指導の通知が来てから、過去の記録を修正・改ざんする行為は、発覚すれば即座に監査へ移行します。
児童福祉法第21条の5の29に基づき、指定取り消し処分の対象となります。ミスがあった場合は、素直に報告し、過誤調整で対応する誠実な姿勢が何より重要です。
運営指導の直前に慌てて準備しても、過去の記録は変えられません。日頃の運営の中に「対策」を組み込むことが重要です。
6-1 スタッフ間での情報共有
管理者や児発管だけでなく、現場スタッフ全員が「記録の重要性」を理解している必要があります。
「なぜこの記録が必要なのか」を研修等で伝え、ミスがあった場合は隠さずに報告する文化を作りましょう。
6-2 自己点検シートの活用
年に1回は、自治体が公開している「自己点検シート」を使って模擬点検を行いましょう。厚生労働省や各自治体のHPからダウンロードできます。
これにより、「書類が足りない」「更新忘れていた」といったミスに早期に気づくことができます。
6-3 書類整備と記録の徹底
書類は溜め込まず、毎日・毎月整理する習慣をつけましょう。「後でまとめて書こう」はミスの元です。
また、書類の紛失を防ぐため、ファイリングのルールを統一し、誰でも取り出せるようにしておくことが大切です。
6-4 研修の実施と記録
虐待防止研修や身体拘束適正化研修など、義務付けられている研修は必ず実施し、「日時・参加者・内容・資料」をセットで記録に残してください。
写真も撮っておくと確実な証拠になります。
6-5 ICTシステムの活用
手書きやExcelでの管理には限界があります。ヒューマンエラーを防ぎ、運営指導対策を効率化するには、専用の療育システムの導入が最も効果的です。
Q 運営指導の通知は突然来るのですか?
(答え)
原則として、実施日の1ヶ月前〜2週間前までに文書で通知されます。
ただし、虐待通報や不正請求の疑いがある場合など、緊急性が高いと判断された場合は、事前通知なしで「監査」が入る可能性があります(抜き打ち)。
Q 当日は誰が立ち会えばよいか。
【回答】
原則として、管理者と児童発達支援管理責任者の立ち会いが必要です。その他、請求事務担当者や現場リーダーなど、業務内容について説明できる職員がいるとスムーズです。
代表者(法人理事長)の立ち会いは必須ではありませんが、可能な限り同席することが望ましいです。
Q 書類は何年分用意すればいいですか?
【回答】
自治体によりますが、「直近1年分」を指定されることが多いです。
ただし、保管義務は5年間ですので、過去の分も見せてほしいと言われたらすぐ出せるように、倉庫やキャビネットの場所を把握しておきましょう。
Q 指摘事項があった場合、どうなりますか?
【回答】
軽微なものであれば口頭注意で終わりますが、文書指摘の場合は、後日「改善報告書」の提出が必要です。
返戻金を伴う指摘の場合は、過誤調整の手続きを行い、自治体に報告します。
Q 利用者がいない場合も運営指導は実施されますか?
【回答】
はい、実施されます。利用者がいない時間帯に行われることもありますし、営業日以外に行われることもあります(その場合は休日出勤等の対応が必要)。
Q 介護保険の書類を流用していますが問題ありますか?
【回答】
基本的には障害福祉サービス独自の様式や基準があるため、流用は推奨されません(特に契約書や重説など)。障害福祉の法令(児童福祉法)に基づいた書類を作成・整備してください。
Q 運営指導を拒否することはできますか?
【回答】
できません。正当な理由なく拒否・妨害・忌避した場合は、それ自体が指定取り消しの事由となります。
8-1 名称変更の背景
厚生労働省は、デジタル化の推進と業務効率化のため、現地に赴くことを必須としない「運営指導」という名称に変更しました。
これにより、書類確認は事前送付やオンラインで行い、現地確認の時間を短縮するといった柔軟な運用が可能になっています。
8-2 システム運用の推奨
システム上の記録を直接確認します。
これにより、紙の書類を大量に印刷・コピーする手間が削減される一方、システムの操作に慣れておく必要があります。
8-3 報酬改定との関係
2024年度の報酬改定で新設・変更された加算(例:個別支援計画の作成プロセスの厳格化、虐待防止措置の義務化など)については、重点的にチェックされる傾向にあります。
最新の加算要件を熟知しておくことが不可欠です。
8-4 【重要】2025年3月「運営指導強化方針」の発表
厚生労働省は2025年3月、障害福祉サービス事業所に対する運営指導の強化方針を発表しました。背景には、不適切な請求や支援の質の低下が一部の事業所で見られたことがあります。
強化される主なポイント
1. 個別支援計画の質の厳格化
・アセスメントの具体性(単なる保護者の要望の羅列ではなく、専門的な視点からの分析が求められる)
・支援目標の妥当性(SMARTの原則:具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限明示)
・モニタリングの実効性(形式的な記録ではなく、支援の効果検証が行われているか)
2. 虐待防止・身体拘束適正化の実効性確認
・委員会が「開催しているだけ」ではなく、実際に機能しているか(議論の内容、改善の実施状況)
・研修の質(外部講師の依頼、ケーススタディの実施など)
・身体拘束を行った場合の記録の詳細性(代替手段の検討記録があるか)
3. 人員配置の実態確認の厳格化
・タイムカードと勤務表の突合(時間単位での確認)
・常勤換算の計算方法の正確性(有給休暇、研修参加時の取扱い)
・兼務職員の実働時間の妥当性(管理者兼児発管の場合、管理業務に支障が出ていないか)
4. 加算算定の根拠資料の徹底確認
・専門的支援加算:有資格者の支援記録に専門性が明記されているか
・延長支援加算:実際の延長時間と記録の整合性
・送迎加算:運行記録(走行距離、ルート)と請求内容の一致
事業所が今すぐ取り組むべきこと
✅ 個別支援計画の見直し
過去6ヶ月分の計画書を取り出し、アセスメント・目標設定・モニタリングが「形式的」になっていないかチェックしてください。
特に、コピー&ペーストで使い回している内容は要注意です。
✅ 委員会・研修の記録の充実化
虐待防止委員会の議事録を見直し、「開催した」という事実だけでなく、「どんな議論をして、何を決めたか」が明確に記録されているか確認してください。
✅ システム導入によるリアルタイム管理
手書きやExcel管理では、記録の矛盾が生じやすくなります。
専用システムで、入力と同時に整合性チェックが働く仕組みを整えることが、2026年以降の運営指導対策の鍵となります。
運営指導の細かいルールや様式は、指定権者(都道府県・政令市・中核市)によって異なります。必ず管轄の自治体HPで最新情報を確認してください。
東京都福祉局:指導検査の実施方針、自己点検表などが公開されています。
大阪府:福祉指導課のページに詳細なマニュアルがあります。
横浜市、名古屋市、福岡市など:各市の障害福祉担当課HPを参照。
【参照資料および参照している主な法令・通知】
・児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5の24(報告・立入検査等)、第21条の5の29(指定の取消等)
・児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)
第5条(従業者の員数)、第28条(個別支援計画)、第37条(記録の整備)等
・障害児通所給付費等の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第122号)
各種加算・減算の算定要件
・指定障害福祉サービス事業者等指導指針(平成18年10月23日 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)
・指定障害福祉サービス事業者等監査指針(平成18年10月23日 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知) 監査の実施要領・処分基準
・指導監査の標準様式等 こども家庭庁
※ 法令・通知の内容は改正されることがあります。最新の情報は厚生労働省・こども家庭庁のウェブサイト、または管轄自治体にてご確認ください。
放課後等デイサービスの運営指導(実地指導)は、決して恐ろしいものではありません。
対策の要点は以下の通りです。
1. 「運営指導」と「監査」の違いを理解し、監査にならない健全な運営を行う。
2. 5つの重要項目(人員、運営、サービス提供、請求、その他)の書類を常に整理しておく。
3. 減算リスク(計画未作成、人員欠如)を回避する仕組みを作る。
4. ICTシステムなどの専用システムを活用して、ヒューマンエラーを削減する。
日頃から法令を遵守し、誠実に子どもたちと向き合い、その支援の証として「記録」を正しく残していれば、何も心配することはありません。
この記事が皆様の不安を解消し、自信を持って運営指導(実地指導)に臨むための一助となれば幸いです。
放課後等デイサービスの事業を続けていくためには、専用ソフトの活用も極めて有効な手段の一つです。
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