2026/06/17
お役立ちコラム
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは障がい福祉サービスを運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
今回は、就労継続支援B型における工賃と、平均工賃月額に応じた報酬体系について詳しくご紹介します。
就労継続支援B型(就B)の運営において、経営を左右する最も重要な要素の一つが「工賃(こうちん)」です。
「そもそも工賃の定義やルールはどうなっている?」
「全国の平均工賃はいくらくらい?」
「工賃の額が、事業所の基本報酬にどう影響するの?」
事業所の開設を検討している方や、法改正に伴う報酬体系の見直しに伴い工賃も見直したい管理者様の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、工賃の基本ルールから最新の全国平均、そして平均工賃月額に連動する基本報酬の仕組みまでを分かりやすく説明します。
参考資料:
令和6年度工賃(賃金)の実績について 厚生労働省
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 e-Gov
令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について 厚生労働省 令和8年2月18日
就労継続支援B型における「工賃」とは、利用者が事業所内での生産活動(作業)を通じて得た成果に対して支払われるお金(賃金・給料)のことです。
B型事業所は利用者と雇用契約を結ばないため、法律上の「最低賃金」は適用されません。
しかし、健全な運営を行うために以下のような厳格なルールが定められています。
工賃に関する主なルール
・生産活動収入から支払う
利用者に支払う工賃は、原則として給付費(国から支給される報酬)から補填してはならず、作業による売上(生産活動収入)から必要経費を差し引いた全額を充てなければなりません。
・工賃規程の策定
工賃の計算方法や支払日などを定めた「工賃規程」をあらかじめ作成し、利用者に周知する必要があります。
・「下限」のルール
事業所全体の平均工賃月額が「3,000円」を下回ってはならないと定められています。
厚生労働省が発表している最新データによると、就労継続支援B型における全国の平均工賃(月額)は以下の通りです。
全国平均工賃(月額):24,141円(令和6年度実績)
近年、国や自治体による工賃向上計画の推進、および算定方式の見直しなどにより、平均工賃は年々上昇傾向にあります。
しかし、これだけで自立した生活を送るにはまだ十分とは言えず、各事業所にはさらなる「工賃向上」への努力が求められています。
就労継続支援B型の基本報酬(国から事業所に支払われる単位数)は、「前年度の事業所全体の平均工賃月額」に応じて段階的に決定されます。
つまり、「利用者に高い工賃を支払えている事業所ほど、国からたくさんの基本報酬(給付費)をもらえる」という仕組みです。
工賃向上へのモチベーションを高めるため、報酬改定のたびにメリハリが強化されています。
【報酬体系のイメージ】
(定員20人以下・人員配置7.5 : 1の例)
平均工賃の区分は、以下のように細かく段階分けされています。
| 前年度の平均工賃月額の区分 |
| 4万5千円以上 |
| 3万5千円以上4万5千円未満 |
| 3万円3万5千円未満 |
| 2万5千円以上3万円未満 |
| 2万円以上2万5千円未満 |
| 1万5千円以上2万円未満 |
| 1万円以上1万5千円未満 |
| 1万円未満 |
2024年度(令和6年度)の法改正において、平均工賃が高い区分の基本報酬が引き上げられた一方、1万5千円未満の低い区分の基本報酬は引き下げられました。
さらに、算定方式の変更に伴い想定以上に高い報酬区分になる事業所が増えたため、2026年(令和8年)6月施行の告示改正において、基本報酬区分の基準の見直し(適正化)が行われることが決定しています。
事業所の経営を安定させ、利用者にも還元するためには、平均工賃を高く保つ工夫が必要です。
高単価な作業(受注)の開拓
従来の簡易な軽作業(袋詰めなど)だけでなく、Web制作やデザイン、自主製品のネット販売、施設外就労(企業内での作業)など、利益率の高いビジネスモデルを取り入れる。
正確な「工賃月額」の計算と管理
体調不良などで利用日数が極端に少ない利用者がいる場合など、自治体のルールに則って正しく分母(平均利用者数)を計算し、平均工賃が不当に下がらないよう管理する。
効率的なシステムによる事務削減
売上管理、経費引き算、利用者ごとの工賃計算・支払い管理には膨大な手間がかかります。ここを自動化し、スタッフが「作業効率化・営業」に動ける時間を確保することが重要です
就労継続支援B型において、工賃は利用者のモチベーションそのものであり、事業所の基本報酬(売上)を決定づける命綱でもあります。
最新の法改正トレンドを見ても、国は「工賃が高い事業所を優遇し、低い事業所には厳しく」という方針を強めています。自所の平均工賃月額を正しく把握し、計画的に工賃向上を目指していくことが、これからの時代に選ばれ、生き残るB型事業所の必須条件となるのではないでしょうか。
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