2026/06/15
放デイラボ小澤行政書士 解説コラム
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは障がい福祉サービスを運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
今回は放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【ガイドライン】放課後等デイサービスの衛生管理、安全管理対策について 放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)』として、ガイドラインの4章から「衛生管理」と「安全管理対策」について、放デイ業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきましたので、その内容をご紹介します。
参考資料:放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月) こども家庭審議会障害児支援部会 令和6年7月10日
ガイドラインの第6章 放課後等デイサービスの提供体制
『4.衛生管理、安全管理対策』について、内容を確認します。
設置者・管理者は、障害のあるこどもや保護者が安心して放課後等デイサービスを受け続けられるようにするため、こどもの健康状態の急変や感染症の発生、非常災害や犯罪、事故の発生などに対応するマニュアルの策定やその発生を想定した訓練、関係機関・団体との連携等により、事業所を運営する中で想定される様々なリスクに対し、日頃から十分に備えることが必要である。
ポイント
重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項や、事故が発生した場合の具体的な対応方法等については、追って示す「障害児支援の安全管理に関するガイドライン」や、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を参照すること。
1. 衛生管理・健康管理
2. 非常災害対策・防犯対策
3. 緊急時対応
4. 安全管理対策
次項より、項目ごとに詳しく説明します。
参考資料:
▶▶障害児支援の安全管理に関する ガイドライン こども家庭庁 令和6年7月
▶▶教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン こども家庭庁 平成28年3月
基本方針
設置者・管理者は、感染症の予防や健康維持のために、職員に対し常に清潔を心がけさ せ、手洗い、手指消毒の励行、換気等の衛生管理を徹底することが必要である。
事業所における感染症対策については、「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニ ュアル」を参考にすること。
【委員会・指針・研修】
設置者・管理者は、運営基準により、事業所における感染症や食中毒の予防・まん延の防止のため、対策を検討する委員会の定期的な開催や、指針の整備、研修や訓練の定期的な実施が求められている。
これらの実施に当たっては、「障害福祉サービス事業所等における感染対策指針作成の手引き」を参考にすること。
【情報収集・二次感染防止】
設置者・管理者は、感染症の発生状況について情報を収集し、予防に努める必要がある。
感染症の発生や疑いがある場合は、必要に応じて、市町村、保健所等に連絡をし、必要な 措置を講じて二次感染を防ぐことが重要である。
【食品提供時の衛生管理】
設置者・管理者は、活動や行事等で食品を提供する場合は、衛生管理を徹底し、食中毒 の発生を防止する必要がある。
対応についての概要
設置者・管理者は、市町村や保健所等との連携のもと、感染症又は食中毒が発生した場 合の対応や、排泄物又は嘔吐物等に関する処理方法についての対応マニュアルを策定し、 職員に周知徹底を図るとともに、マニュアルに沿って対応できるようにすることが必要で ある。
【来所時の健康チェック】
設置者・管理者は、こどもの健康状態の把握及び感染症発生の早期発見のために、こど もの来所時の健康チェック及び保護者との情報共有の体制を構築しておくことが必要である。
【流行時の対応強化】
感染症の発生動向に注意を払い、インフルエンザやノロウイルス等の感染症の流行時には、こどもの来所時の健康チェック及び保護者との情報共有体制を強化する必要がある。
【集団感染時の休所対応】
型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルス等の感染症により集団感染の恐れがある場合は、こどもの安全確保のために、状況に応じて休所とする等の適切な対応を行うともに、保護者や関係機関・団体との連絡体制を構築しておく必要がある。
事業継続計画(BCP)
感染症が発生した場合であっても、重要な事業を継続又は早期に業務再開を図るため、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、BCPに従い、職員に対して必要な研修及び訓練(シミュレーション)を実施することが必要である。
特に、新興感染症の場合は、インフルエンザやノロウイルス等の感染症と異なる対応も想定されることを念頭に置きながら、BCPの策定や研修及び訓練(シミュレーション)を実施することが必要である。
BCPの策定に当たっては、「障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」を参考にすること。
参考資料:
▶▶障害福祉サービス事業所等における感染対策指針作成の手引き 厚生労働省 令和4年13月
▶▶障害福祉サービス事業所等における 新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン 厚生労働省 令和2年12月
除去食・制限食への対応
設置者・管理者は、食物アレルギーのあるこどもについて、医師の指示書に基づき、食 事やおやつを提供する際に、除去食や制限食で対応できる体制を整えるとともに、保護者 と協力して適切な配慮に努めることが必要である。
危機管理としての対応
設置者・管理者は、事業所で飲食を伴う活動を実施する際は、事前に提供する内容につ いて具体的に示した上で周知を行い、誤飲事故や食物アレルギーの発生予防に努める必要 がある。
ポイント
食物アレルギーについては、こどもの命に関わる重大な事故を起こす可能性もあるため、危機管理の一環として対応する必要がある。
そのため、保護者と留意事項や緊急時の対応等(「エピペン®」の使用や消防署への緊急時登録の有無等)についてよく相談し、職員全員が同様の注意や配慮ができるようにしておくことが重要である。
服用・予防接種・てんかん発作等
→事前確認の徹底
職員は、事前に、服薬や予防接種、てんかん発作等のこどもの状況を確認しておくとともに、こどもの健康管理に必要となる器械・器具の管理等を適正に行う必要がある。
→重症心身障害児への対応
設置者・管理者は、重症心身障害のあるこどもなど、全身性障害があるこどもについて は、常に骨折が起こりやすいことを念頭におき、適切な介助が行える体制を整えるととも に、誤嚥性肺炎を起こさないよう、摂食時の姿勢や車椅子の角度等の調整、本人の咀嚼・ 嚥下機能に応じた適切な食事の介助を計画的・組織的に行えるようにすることが必要である。
基本的な備え
設置者・管理者は、運営基準により、非常災害に備えて消火設備等の必要な設備を設ける とともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の避難方法や、関係機関・団体への通報及び連絡体制を明確にし、それらを定期的に職員や保護者に周知することが求められている。
また、設置者・管理者や職員は、こどもの障害種別や障害の特性に応じた災害時対応について、日頃から理解しておくことが重要である。
ポイント
聴こえない又は聴こえにくいこどもや職員、保護者がいる場合は、併せて、視覚で分かる緊急サイレンや合図など、事前に準備しておくことが必要である。
事故・ケガ・急変時の初動
【速やかな連絡】
職員は、こどもの事故やケガ、健康状態の急変が生じた場合は、速やかに保護者、協力医 療機関及び主治医に連絡を行う等の必要な措置を講じなければならない。
【マニュアルの策定と訓練】
設置者・管理者は、緊急時における対応方法についてのマニュアルを策定するとともに、 職員が緊急時における対応方針について理解し、予め設定された役割を果たすことができるように訓練しておく必要がある。
【個別マニュアルの共有】
設置者・管理者は、例えば、てんかんのあるこどもが急な発作を起こした場合に速やかに対応できるよう、個々のこどもの状況に応じて、緊急時の対応方法や搬送先等について個別のマニュアルを策定し、職員間で共有することも必要である。
医療的ケアと応急処置
【医療的ケア児への対応】
職員は、医療的ケアを必要とするこども等の支援に当たっては、窒息や気管出血等、生命 に関わる事態への対応を学び、実践できるようにしておく必要がある。
【応急処置の知識・技術習得】
職員は、こどものケガや病気の応急処置の方法について、日頃から研修や訓練に参加し、 救急対応(心肺蘇生法、気道内異物除去、AED(自動体外式除細動器)、「エピペン®」等の使用)に関する知識と技術の習得に努めることが必要である。
また、緊急時の応急処置に必要な物品についても常備しておくことが重要であり、設置者・管理者は、AEDを設置することが望ましい。
安全計画の策定と周知
設置者・管理者は、運営基準により、設備の安全点検、職員やこども等に対する事業所外 での活動・取組等を含めた事業所での生活における安全に関する指導、職員の研修及び訓練 その他の安全に関する事項について、安全計画を策定するとともに、職員に周知し、安全計画に従って研修及び訓練を定期的に行うことが求められている。
また、保護者との連携が図られるよう、保護者に対して安全計画に基づく取組の内容を周知することも必要である。
環境点検と安全管理マニュアル
設置者・管理者は、支援の提供中に起きる事故やケガを防止するために、安全計画の内容 も踏まえ、事業所内や屋外の環境の安全性について、チェックリストを用いて点検するとともに、活動や事業所の実情に応じ、リスクの高い場面(例えば、食事、プール、移動、送迎、 屋外活動などの場面)において職員が気を付けるべき点や役割等を明確にした安全管理マニ ュアルを作成することが重要である。
作成後は、これらに基づき、毎日点検し、必要な補修等を行い、危険を排除することが必要である。
ポイント
職員は、衝動的に建物から出てしまうこども等もいるため、こどもの特性を理解した上で、必要な安全の確保を行うことが必要である。
活動場面ごとの事故防止
活動場面によって注意すべき事項が異なるため、職員は、活動場所や内容等に留意した事 故の発生防止に取り組むことが必要である。
例えば、送迎、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事・おやつ中など、それぞれの場面に応じて具体的な注意喚起を促す必要がある。
事故発生時の報告・連絡
設置者・管理者は、運営基準により、事故が発生した場合は、速やかに都道府県、市町村、家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じることが求められている。
設置者・管理者は、指定権者である都道府県、支給決定の実施主体である市町村及び事業所の所在する市町村が、どのような事故の場合に報告を求めているかや、事故が発生した場合にどのような方法により報告を求めているかについて、必ず都道府県や市町村のホームページ等で確認し、 適切な対応を行う必要がある。
ポイント
事故の種類を問わず、家族には、事故が発生した場合は必ず連絡を行い、こども本人や家族の気持ちを考え、誠意ある対応を行う必要がある。
事業所においては、こうしたことを踏まえ、事故発生直後の初期対応の手順の明確化や、必要となる連絡先リストの作成等を行うことが必要となる。
ヒヤリ・ハット事例の活用
設置者・管理者は、発生した事故事例の検証や、事故につながりそうなヒヤリ・ハット事 例の情報を収集し、検証を行う機会を設けるとともに、事故原因の共有と再発防止の取組について、全ての職員に共有することが必要である。
送迎時の所在確認・安全装置
設置者・管理者は、運営基準により、送迎や事業所外での活動のために自動車を運行する 場合は、こどもの乗降時の際に点呼を行うなど、こどもの所在を確実に把握することができる方法により所在を確認するとともに、自動車にブザー等の安全装置を装備することが求められている。
【乗降時の点呼】
こどもの乗降時の際に点呼を行うなど、こどもの所在を確実に把握することができる方法により所在を確認する。
【安全装置の装備】
自動車にブザー等の安全装置を装備することが求められている。
医療的ケア児の安全管理
医療的ケアを必要とするこどもについては、人工呼吸器や痰の吸引機等の医療機器の電源 の確保やバッテリー切れの防止、酸素ボンベや酸素チューブ、気管チューブ等の安全管理、アラームへの即時対応などに常に留意する必要がある。
また、職員の見守り等により、こども同士の接触によるチューブの抜去などの事故の防止にも取り組む必要がある。
ガイドラインに沿った運営基準の衛生管理・安全管理対策について、以下の項目を確認し、確実に対策をしなければなりません。
| (1)衛生管理・健康管理 | ||
| 感染症・食中毒対策 | 委員会の定期開催、指針整備、研修・訓練の実施、情報収集、二次感染防止、対応マニュアルの策定・周知、来所時健康チェック、BCP策定 | |
| アレルギー対策 | 医師の指示に基づく除去食・制限食対応、飲食活動時の事前周知、エピペン®使用等の緊急時対応の共有。 | |
| その他の健康管理 | 服薬・予防接種・てんかん発作等の事前確認、重症心身障害児への骨折・誤嚥性肺炎防止のための適切な介助体制の整備。 | |
| (2)非常災害対策・防犯対策 | ||
| 基本的な備え | 消火設備等の設置、具体的計画の策定、避難方法・連絡体制の明確化と周知、障害特性に応じた災害時対応の理解、視覚的緊急サイン等の準備。 | |
| 定期的な訓練 | 地震・火事・風水害などの非常災害の内容を明確にした上での定期的な避難・救出訓練の実施。 | |
| 個別避難計画・ 医療的ケア児対応 |
個別避難計画の作成への参画、相談支援事業所等との綿密な意思疎通、医療的ケア児の災害リスクに応じた対応検討。 | |
| 防犯対策 | 防犯マニュアルの策定、地域関係機関・団体との見守り活動連携、こども自身の安全確保のための学びの機会の提供。 | |
| (3)緊急時対応・安全管理対策 | ||
| 緊急時対応 | 速やかな保護者・医療機関への連絡、緊急時対応マニュアルの策定と訓練、個別マニュアルの職員間共有、医療的ケア児への対応習得、AED設置と応急処置技術の習得。 | |
| 安全計画・環境点検 | 安全計画の策定・周知・定期研修、チェックリストによる環境点検、完全管理マニュアルの作成と毎日の点検・補修。 | |
| 事故発生時の対応 | 都道府県・市町村・家族への速やかな連絡、報告方法の確認、誠意ある対応、初期対応手順の明確化と連絡先リストの作成。 | |
| ヒヤリ・ハット・ 送迎・医療的ケア児 |
事故事例・ヒヤリ・ハット事例の収集・検証・全職員共有、送迎時の点呼と安全装置装備、医療機器の安全管理とチューブ抜去事故防止。 | |
本記事を参考に今一度、運営基準の衛生管理・安全管理対策について点検して、適切な運営体制の整備にお役立てください。
※ 本記事は、放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【ガイドライン】放課後等デイサービスの衛生管理、安全管理対策について 放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)』をもとにしています。詳細は、参考資料をご覧ください。
放課後等デイサービスの事業を続けていくためには、専用ソフトの活用も極めて有効な手段の一つです。
弊社が提供する「HUG」では、放課後等デイサービスを運営している事業者様の為に成長療育支援システムを開発しています。
日々の記録をつけるだけでサービス提供実績記録票や業務日報など、必要な書類を自動で作成。 記入ミスや記入漏れを防ぎ、 事務作業における残業時間を削減します。
業務日報や出勤表などを自動的にチェック。 記録の不備や減算対象になる場合は警告を表示し、不備や適切ではない人員配置を未然に防ぐので 健全な施設運営を実現します。
放課後等デイサービス・児童発達支援に特化したシステムを活用し、安心・安定した運営を目指しませんか?
HUGの施設運営機能について 詳しくはこちら
お電話でのご案内も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
052-990-0322
受付時間:9:00~18:00(土日休み)

1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。
山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。
>放デイ・ラボのYouTubeチャンネルはこちら
新着記事や放課後等デイサービスに関するお役立ち情報をお届けします!
【ガイドライン】放課後等デイサービスの衛生管理、安全管理対策について
【運営指導】令和7年度の運営指導における主な指摘事項について(個別支援計画や勤務体制等について)
【新刊紹介】『”ぼくら“にしか作れないバウムクーヘン』が発売されます!
【後編】営業力が就労継続支援B型の武器になる。地域を巻き込む自立支援【株式会社オフィス野村様】
【前編】始まりは議会。元議員の放デイ立ち上げ【株式会社オフィス野村様】
就労移行支援における移行準備体制加算の算定要件と注意点
【就労支援事業】生活支援員とは?
就労支援事業におけるサービス管理責任者の役割と要件
就労継続支援B型事業所の建築及び設備基準の要件ガイド
就労継続支援B型事業所における就労移行支援体制加算とは