放課後等デイサービス業界に
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2026/03/27
就労支援 事例インタビュー
千葉県市川市・浦安市・船橋市で、児童から大人までの福祉・教育・医療の事業を運営するいずみサービス株式会社様にお話を伺いました。
いずみサービス株式会社様は、長年にわたり学習塾の運営など教育に携わる中で、放課後等デイサービス・児童発達支援(以下:放デイ)、フリースクール、通信制高校、グループホームへと福祉事業を展開し、訪問看護ステーションも運営されています。
そして、自立支援のために就労継続支援B型事業所(以下:B型)とA事業所(以下:A型)として「伸栄 自然派おかし研究所」を立ち上げられました。
事業展開の経緯などを代表取締役の小泉沙希様、南行徳の就労支援事業所の責任者の重田木綿子様、妙典の就労支援事業所の責任者の渡邊清子様からお話を聞くことができました。
――法人の概要と障害福祉サービス立ち上げの経緯を伺いました。
小泉様:以降小泉)私たちはもともと「新栄学習会」という名前で、学習塾からスタートしました。
法人設立自体は平成27年ですが、学習塾としての創業は45年前になります。
活動エリアは、市川市・浦安市・船橋市が中心で、対象としては2歳くらいのお子さんから、上は60歳くらいまでの福祉・教育を軸に一部医療も含めた事業を行っている法人です。
福祉と教育を軸に人を支える
一番最初は学習塾でしたが、その後に放デイ、児童発達支援、通信制高校、訪問看護ステーションと広げてきました。
そして2023年12月に就労継続支援B型。そこからA型を併設し、最近では、障がい者グループホーム(共同生活援助)も始めました。
ミッションの実現のために福祉の世界へ
もともと私たちは、地域の子どもたちの「学びを支援する」というコンセプトで塾をやってきました。
ミッションとして掲げているのは、「生涯、喜びをもって学び続ける人間を育てる」ということです。
塾を運営していく中で、発達特性がある子、知的にゆっくりな子、逆に特定の教科だけ突出してできる子など、いろいろな子どもたちと出会う中で、「一人ひとりに合った学びを支援したい」と考えるようになり、学習支援中心の放課後等デイサービスを立ち上げました。
法人として強みが事業展開の土台
小泉)放デイの立ち上げにあたり、外から発達支援や福祉に詳しい人を採用しました。
半分は指導ノウハウのある者の異動ですが、スタッフの学ぶ姿勢が他の業態に活かすことができました。
塾は知識を教えるというサービスです。スタッフは知識を習得することや忍耐力などが備わっているので、その力が活かされています。
教育畑のスタッフには福祉を学んでもらいますし、逆に福祉のスタッフには教育の基礎的なことを学ぶ機会を作って、お互いに学び合う環境を作っています。
知識や経験を共有することで支援の幅が広がり、誰でもどの事業にも参加できるようにしたいと思っています。
今、放デイは13事業所あります。発達特性による学習に課題を抱える人は多いので利用者さんが増えたことも事実ですが、単に利用者さんがたくさん来ただけでは事業所は増やせません。
事業所を増やせる土台があり、その両方が重なった結果で事業所が増えていきました。
利用者さんの様子は法人内の連携で
利用者さんは法人内の違う事業所に通うこともあります。法人内なので、コンディションを含めて利用者さんの様子は、常に連絡しあっています。
事業所が違っても同じ法人の強みとして、情報共有がスムーズな連携にあると思います。自分の代わりにコンディションを伝えてくれる存在として寄り添うことができています。
――放デイから就労支援へと繋がった経緯を伺いました。
小泉)放デイを運営する中で、中学校を卒業して特別支援学校に進学する子が多くいました。
いわゆる特別支援学校の受験校にあたり、障がい者のエリート校的な存在なので合格を喜んでいる姿を見てきました。
しかし、実際には高校卒業資格はもらえないので中卒になり、特別支援学校を卒業した後は必ず就職が待ち構えています。
特別支援学校卒業では中卒になる事実
それで思い描いた職業に就けないことに気付き、夢が閉ざされた子を見てきたので、高卒資格を取れる仕組みを自前で用意するために通信制高校を作りました。
通信制高校には不登校など引きこもりの中でご家族だけで問題を抱え込む方が多く、自宅を訪問しないと支援にならないことから、家庭を訪問する仕組みとして訪問看護ステーションを作りました。
訪問看護は高齢者や医療のイメージが強いと思いますが、私たちは精神の訪問看護です。お子さんや引きこもりや大人の精神疾患の方などを訪問しています。
このとき初めて、大人でいろいろな問題を抱えている方たちに出会いました。
訪問看護で知った、次の ”受け皿” がないこと
訪問看護で元気になってもらえたので、「じゃあ次は、外に出て働いてみようか」となったときに受け皿がなかったんです。
それで「就労継続支援B型を作ろう」と、大人の方を受け入れる施設を作りました。それがB型になります。
そして、B型ですごく働く力を付けて活躍できるようになった人が現れたので、工賃ではなく賃金を払いたくてA型を作りました。
B型で “何をするか”
小泉)施設名の「新栄自然派おかし研究所」という名前の通り、自然派・ヴィーガンのお菓子づくりが作業のメインです。
マフィンやクッキーを作って、梱包、袋づくり、シール作成、メニュー表の作成なども行っています。
お菓子があるので、地域交流の場にもなるようにカフェもオープンして、接客や簡単な調理も作業として取り入れています。
ヴィーガン・自然派のお菓子にこだわった理由
重田様:以降重田)ヴィーガン(注1)やオーガニックの材料にこだわることは、体に優しいことはもちろんですが、「心にも優しい」と言われていることが大きいです。
作業を通じて、心の健康や就労意欲につながるようにとの想いから材料にこだわることにしました。
支援員が作業に追われないような商品を
小泉)後発のB型なので周りをよく観察して思ったことは、「薄利多売」のお菓子が多いことに違和感を感じました。
「障がい者が作るから安くていい」そんなふうに見られているのが嫌でした。
高付加価値のものを作って、「自分たちが誇れる商品」を作りたかったんです。
もう一つの理由は、支援員が作業に追われないようにしたかったことです。
支援員は支援に徹することができるように、誰でも作れる工程で、単価が高くなる商品をと考えた結果が、今の形になりました。
(注1)ヴィーガン(完全採食主義者/純菜食者:vegan)は、肉・魚・卵・乳製品・ハチミツのあらゆる動物由来の製品を口にしないライフスタイルのこと。
B型の手厚い支援体制
渡邊様:以降渡邊)お菓子作りの際は、支援員1名に対して利用者さん1〜2名程度です。
慣れている方には見守り中心。初めての方や不安がある方には手厚くサポートしています。
ペアも固定せず、作業内容も日によって変えることで、できることを増やしています。
支援員も固定せず、「この職員じゃないと分からない」という状態を作らないようにしています。
利用者も支援員もみんな研究員
誰でも対応できるようにマニュアルをしっかりと整備して、クッキーなどもレシピを見れば誰でも作れるようにしています。
ただし、レシピにはこだわりがあります。
メニューにあるヴィーガンのマフィンは、ヴィーガンの先生からベースとなる部分を教えてもらい、そこから自社で何度も試作をし、合格をもらえるまで繰り返してやっと完成した商品です。
そこから、誰でもできるように作業工程を考えてマニュアルを作りました。
でも、商品もマニュアルも完成形ではなく、支援員や利用者さんの声を取り入れて、研究しながら日々改善しています。「研究所」という名前には、そういう意味も込められています。
一般就労への取り組み
重田)同じ環境でステップアップできるようにA型を立ち上げました。
A型や一般就労に向けて、できることを増やしていけるように評価は見える形にしています。
評価はどうしても支援員の主観になるので、客観的に判断できるように「ステップアップ評価表」を作りました。
月一で面談をして、現在地を確認して、できることが増えたことをお互いに確認しています。
目標まで達したらA型でもいいですし、ハローワークを経由した就職活動も応援しています。
【評価表とは】
・勤怠ならきちんと勤務できているか。
早退・遅刻があったとしても、遅刻の連絡ができることが重要です。
・作業の成熟度
お菓子が作れるか
・対人関係
他の利用者さんとの関わりや支援員との関わり
・自己管理
などになります。
評価を正しく行うためにも、仕事内容を細分化することに細心の注意を払っています。
一番大切なことは出勤日数が安定して通えるようになることなので、通えるようになったらボーナスを付けています。
――まずは通所支援HUGについて伺いました。
小泉)通所支援のHUGを導入する前は、3事業所ぐらいまですべてExcel管理でした。
そこで課題だったのが個別支援計画の漏れや請求漏れ。そして売上の把握でした。
だんだんファイルが増えて、どれが最新か分からない状態になっていました。
HUGを入れたことで管理、請求、売上などすべてがHUG一つで完結できるようになりました。
経営者目線でも分かりやすくなったのですが、スタッフの負担軽減に繋がりました。
国保連請求に関しては、請求業務の時間が1/10くらいになったくらいです。
HUGがあったからスピード展開できた
しかもHUGを導入してから気づいたのですが、送迎加算を3年間取れていなかったんです。これは本当に情けなかったです。
そんな状況では横展開はできなかったと思います。正直、HUGがなければ今のスピードでの事業展開は無理だったと思います。
今は加算の漏れも無くなり、HUGを導入したことで多店舗展開が実現しました。
小泉)放デイでHUGを使っていて、使い勝手・売上管理・法令対応、全部含めて良くて、お世話になっています。
B型を立ち上げたときも、「B型でもHUGが使えたらいいのに」と思っていた中で、展示会で営業の山中さんに会い、直接「B型のHUGはないんですか?」と聞いたのを覚えています。
それで今回、声を掛けてもらい、是非使ってみたいと導入を決めました。
――導入前の課題をお伺いしました。
渡邊)導入前は、個別支援計画の期限の管理や利用者さんごとの障がい特性、面談・支援記録の管理が課題でした。
支援記録と個別支援計画と出勤簿の入力などがすべてHUGでつながっていることがいいですね。以前はExcelのファイルで全部バラバラに管理していました。
――導入後の効果
個別支援計画に関しても、モニタリング対象者が一覧で分かるので助かっています。
工賃明細と受領証がシンプルに
渡邊)工賃明細書は、以前は書類が3種類あり、それを切ったり、サインしたり大変でした。
工賃明細書とは別にお弁当の実費を差し引くのですが、総支給額があり、お弁当代を受領したサインをいただいてから、差し引き支給額の書類を作成する必要がありましたが、今は2枚で済みます。
工賃明細書をお渡しして、受領証にサインをいただくだけです。
Excelだと、計算式が壊れても気づきにくい。
HUGは入力ミス以外のエラーが起きないので、安心感があります。
操作もシンプルで分かりやすい
重田)請求に関してはHUGのサポートの方に聞かなくても無事に請求ができるくらい操作は分かりやすかったと思います。
意外にお弁当の管理が大変なんです。新しい機能でお弁当の予定がカレンダーに入るようになったから、お弁当の数の在庫管理のミス削減につながるので助かります。
――最後に、これからの展望をお伺いしました。
小泉)就労のB型がゴールではありません。A型や一般就労へ進む人もいれば、ここB型で安心して働き続ける人もいます。
どの選択をしても「学び続けられる場所」でありたいと思っています。
利用者さんも支援員のスタッフも、それぞれの目標に向かって、楽しく生き生きと生活できる事業所を目指しています。
今後は余暇活動として芸術活動やレクリエーションにも力を入れて、モチベーション向上につなげていきたいと思っています。
お菓子やコーヒーの販売、カフェ、ギャラリーなど、一人ひとりの得意を発表できる場を広げていきたいですね。
弊社が提供している「就労支援HUG」は、就労移行・就労継続支援B型事業所に特化した運営システムです。
支援の予定から記録、国保連請求、工賃明細書発行までをひとつの流れでつなげることで、
転記や確認の手間・ミス・手戻りを減らし、
利用者様の支援に向き合う時間を作り、工賃向上への取組みを後押しします。
就労移行支援・就労継続支援B型事業所の運営にお悩みの方、お気軽にお問い合わせください。
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