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2025/12/02
相談支援事例インタビュー
鹿児島県姶良市で児童発達支援・放課後等デイサービスと相談支援を運営する合同会社TKオフィス様にお話を伺いました。
合同会社TKオフィス様は2022年に児童発達支援・放課後等デイサービスを立ち上げられ、現在は保育所等訪問支援と相談支援事業所も運営されています。
相談支援業務について相談支援事業所の管理者で相談支援専門員の永延様からお話を聞くことができました。
インタビュアー(以下:イ)まずはお立場を含めた自己紹介をお願いします。
永延様:以降永延)合同会社TKオフィスの永延と申します。相談支援事業所「はる」の管理者と相談支援専門員をしています。
イ)まずは障害児支援に携わるようになったきっかけなどを教えてください。
永延)私事ですが、娘が年長のときに保育園から「療育に行った方がいいかもしれない」というお話をいただき、この事業所には娘の保護者として通うことになりました。
シングルマザーということもあり当時は、子供との時間があまり取れていなかったことを反省し、仕事を辞めて1度リセットして、子どもと向き合うことにしました。
そんな時にこの事業所が相談支援専門員を募集していることを知り、介護福祉士の経験を活かしていけるかもと思い応募しました。
そこから障がい児支援に携わったので、経歴としては本当に短いものです。
イ)保護者の立場から入った障がい児支援に、今度は自分が支援する立場になり違いを感じることはありましたか?
永延)子どもも1人ですし、仕事場と家の行き来だけだったので障がい児支援自体に縁がなく、そもそも「療育」という言葉は聞いてはいたけれど、何をするのかも本当に分からない状態でした。
実際に仕事を辞めていたので、通所するにあたって施設もしっかりと見学させてもらい、楽しく活動している様子も見ていました。
活動を見ているとただ遊んでいるように見えているけど、活動が終わった後にお話を聞くと、些細なところもチェックしてアセスメントをした上で遊んでいると感じました。
当時は療育がどのようなものなのかハッキリと分かっていませんでしたが、遊び1つにしても意味があって、遊ぶという活動への認識の差をすごく感じました。
イ)もともとは介護職だったのですね?
永延)そうです。ここに就職するまでの十数年は介護職で勤務していました。
イ)高齢者支援から障がい児の支援ではギャップを感じませんでしたか?
永延)ありました。高齢者はADL(日常生活動作)を維持するように、生活レベルを落とさないように支援することが多かったのですが、子どもになると維持ではなくて、引き上げていかなければならないところに難しさを感じます。
最初の頃は、分からないことばかりだったので、好きでやっていた介護に戻りたいと思うこともありました。
イ)今は、どうですか?お気持ちに変化はありましたか?
永延)今は我が子の特性も理解でき、実際に子どもを見てくれる担当が直接「こうでしたよ」と話をしてくださるので、私生活に関してはメリットしかありません。
利用者のお子さんで喋れなかった子が、何かひと言発することができた瞬間や子どもの可能性が見えた瞬間に立ち会えることに、とてもやりがいを感じています。
イ)法人様として相談支援を始められたきっかけはご存じですか?
永延)法人として、もともと支援の幅を広げていきたいという想いがあったようです。
私は最初だけ療育の現場に入りましたが、私の採用は相談支援が視野に入っていたからです。
イ)相談支援を立ち上げたら「いずれ相談支援に行ってほしい」というお話をされて採用されたのですね。
永延)はい、その通りです。
イ)相談支援を立ち上げられ、お一人で相談支援専門員までこなされていらっしゃいますが、立ち上げの際に上手くいったことなどありましたか?
永延)上手くいったことで言えば、元々は保護者の立場で相談支援員さんが付いていた状態だったので、計画書やモニタリング報告書を見てサインするなどの相談支援の流れをある程度知っていたことです。
相談支援を開所して1年ぐらいですが児童発達支援・放課後等デイサービスの現場にもいたので、計画書を作るうえで長期目標と短期目標を踏まえて、どういう支援目標を立てなければならないかなど、総合的に考えることができました。
本当に現場に入っていて良かったと思っています。療育を知らない状態で相談支援専門員になっていたら、多分、計画書を未だに書けていなかっただろうと思います。
研修は受けましたが限られた時間しかないので、現場にいた経験と自分が保護者として相談支援員さんが付いていたこと。この2つがとても大きかったと思います。
苦労したことは、1人なので相談支援について相談できる人がいないことです。
ですから、業務で分からないことは他の相談支援事業所さんに電話で質問したり、市役所にも頻繁に電話をして質問しました。
子どもの成長時期は大きく変化していくので、サービスの変更や追加も多くなります。
有効期限内なのに、どのタイミングで計画書を作り直して市に提出すればいいのかなど、些細なことですが1つ1つ手探りになります。
なので未だに勉強中だと感じています。
イ)立ち上げ当初は法人の施設に通っている利用者様に対して相談支援を受けていく予定だったのでしょうか?
永延)当事業所の児童発達支援・放課後等デイサービスに来てる子どもたちに対して、相談支援の案内はしていないです。
最初は契約者”0”からのスタートでした。市役所から依頼もありますし、保護者から直接の依頼を受けることもあります。
イ)立ち上げ時に営業的なことはされなかったのですか?
永延)営業はしていないです。
市が管轄している業務になるので、市役所の方が療育の申請をされた保護者に対して「“相談支援事業所はる”が空いている」と、ご提案されることはあるようです。
私がまず準備として行ったことは、療育現場の事業所さんへ見学に行くことでした。
どういう支援をしてるのか知っておかなければ紹介ができないと思ったからです。
全ての事業所を見学することはできませんでしたが、空いてる時間とタイミングで何カ所かは見学しました。
イ)同業者の相談支援事業所さんにご挨拶などはされるのでしょうか?
永延)当法人の療育に通うお子さんには相談支援員さんが付いています。
モニタリングや担当者会議などで事業所に来られることがあり面識がありましたので、お電話をして「相談支援を開所致しました。色々と業務のことについて教えてくださいね。」と最初にご挨拶をさせていただきました。
イ)相談支援専門員になる前に現場に入っていたからこそですね。
今は、療育と一緒に相談支援を利用されている方はいらっしゃいますか?
永延)いらっしゃいます。事業所に来るお母さんから「ここの療育はお願いできないんですか?」というお話をいただきます。
中立な立場を心掛けて、「ここもありますが、他の事業所も見てください。」と促した上で、当事業所を選んでくださる方もいらっしゃいます。
イ)相談支援専門員として他の施設などを訪問することは多いですか?
永延)多いですね。自宅でのモニタリング(聞き取り)だけはなく、事業所と直接やり取りをしたい気持ちがあります。
書面で「家ではこうです。事業所ではこうです。相談支援の見立てはこうです。」それだけでは、その先が繋がりにくいと思います。
保護者・事業所・相談支援で、必要に応じて園や小学校が入った会議を実施しています。
イ)会議をしましょうと発信されるのは、永延様からですか?
永延)ほとんどそうですね。
事前にモニタリングについて説明は致しますが、なかなかイメージしにくいことだと思うので約9割は相談支援発信です。
「今回は園を入れてのお話を希望されますか?」など、すべて保護者に確認して会議を実施していますが、必要に応じて私から会議のご提案をさせていただくこともあります。
イ)モニタリングは事業所に来てもらうことが多いですか?
永延)基本は自宅で聞き取りをして、その後に事業所に関係者を集めて保護者も含めて担当者会議をすることの方が多いです。
イ)直接会って現状を共有することはすごく大事なことですが、時間を取るのは大変ですよね?
永延)大変です。お仕事をされている方も多いので時間を合わせるのが難しいです。
イ)保護者の方は、施設に相談しにくいことなどを相談されるのでしょうか?
永延)療育の方が子どもと関わっている時間が長いので、基本的に療育の支援内容や家で困ってることなどは、療育側に相談しているケースが多いかもしれません。
イ)施設を変更したいなど相談されたことはありますか?
永延)何件かありました。療育施設を探すタイミングで「実際に通ったら思っていた環境や支援と違うと感じることもあるので変更できますよ」と伝えています。
割と少ない方だと思いますが、変更されたケースはありますね。
イ)保護者様とコミュニケーションを取る中で意識されていることはありますか?
永延)子どものことを聞くときは、困りだけじゃなく得意なことも聞くようにしています。そうすることでお母さんたちの表情が割とほぐれるからです。
お母さんたちは、マイナスなことを話すことが多くなっています。ですから、お子さんのプラス要素から支援を広げていくことが出来るとお伝えできるように、お話しをお聞きするときは気を付けています。
イ)HUGではデジタルサインもお使いになられていますが、利用者様とのやり取りはスムーズにいっていますか?
永延)皆さんスマートフォンをお持ちなので、やり取りは大丈夫です。
毎回モニタリングが終わって報告書にサインをいただく時に、LINEでリンクとIDとパスワードを付けて送信するようにしています。
そうすることで、期日内に漏れなくサインを頂けることが多いです。
他の事業所にモニタリングで足を運んだときですが、「何を入力しているんですか?」と聞かれたことがあります。
「HUGで報告書を作っているんです」と言って個人情報が見えないトップページをお見せして、相談支援が児童発達支援・放課後等デイサービスと紐づけられるし、お値段もプラス5500円で相談支援機能が付けられちゃうんですと宣伝しました(笑)。
イ)もう感謝です。ありがとうございます。
相談支援が正式リリースしたのは今年の1月ですが、御社にはそれより以前からご利用いただき感謝しております。今後ともお役立て頂けるように機能をどんどん充実させてまいります。
イ)弊社サポートセンターはご利用いただけていますか?
永延)頻繁に電話をしています。早くご回答頂けるので助かっています。
すぐに「これですよ。」と返してくださるので、皆さんとても勉強されていると感じます。ほんとに有難いことです。
すぐの回答が難しいときは、折り返しを必ずして頂けるので、とても安心です。
イ)相談支援の業務で一番大変なことはどんなところでしょうか?
永延)たくさんあるけれど、書類が多いことです。
HUGさんは、アセスメント、計画案、サービス担当者会議録、計画書作成と業務の順を追っていけるように設定してくれていますが、姶良市にはプラスして別の書類があります。
サポートマップと呼ばれるもので、名前、保育園、使ってる事業所、家族の想い、本人の想い、合理的配慮を記載する書類です。
それを見ればある程度の要点を一目で掴めるようになっています。
イ)余分に作らなきゃいけない書類があるのは大変ですね。
永延)10月に相談支援の集団指導がありました。
個別に監査する運営指導(実地指導)ではなく、一旦全事業所に対して書類が揃っているかチェックする集団指導というものがあり、そのあとで何か所かピックアップされて個別のチェック(運営指導)になります。
今回、対象ではなかったので実際に運営指導を受けたことはありませんが、もしかしたら対象になるかもしれないと思い、「パソコンを提出するので、HUGを見せる形でいいですか」と市に問い合わせをしました。
その時、紙ベースでしか運営指導をしたことがないと言われました。
今後、パソコンでの記録が主流になっていくと思いますが、それぐらいまだ紙ベースの事業者さんが多いということですね。
イ)市の回答はいかがだったのでしょうか?
永延)パソコンでいいですと言われました。
イ)良かったです。市としても今後はシステムに対応してくれる流れになりそうですね。
イ)放課後等デイサービス・相談支援を含めて今度目指して行きたい目標などをお願いします。
永延)弊社では多機能型の児童発達支援・放課後等デイサービスの1事業所で保育所等訪問支援と相談支援もやっていますが、来年度もう1つ多機能型を立ち上げる準備をしているところです。
皆で力を合わせて、さらに子どもたちを受け入れられるように体制を作ろうとしています。
それに合わせて相談支援も強化できればと思っています。
相談支援事業所自体が少ない市ではありますが、子どもの人数が増えている地域です。
空港と繁華街のちょうど真ん中くらいの位置にある市で便利なこともあり、新しくお住まいになられる方が多く、その子どもたちの受け皿が必要になっています。
まず相談支援で窓口になっていくことと、当事業所に限らなくてもいいのでサービスを受けられる環境を整えていきたいと思っています。
それには相談支援専門員がもう1人ぐらい欲しいと、私個人としては思っているところです。
イ)永延様としてチャレンジしていきたいことはありますか?
永延)今、受け持っている相談は、発達に特性があるお子さんだけです。大人や医療的ケア児は受け持っていないので、勉強していきながら、相談業務としての幅を広げられるような知識と体制を作って行きたいと思っています。
大変なのでバランスを取りながら、余裕ができた時にすぐ幅を広げられるような状況を作っていきたいですね。
イ)素晴らしいですね。本日は貴重なお話とお時間を頂きまして、本当にありがとうございました。
弊社が提供している「相談支援HUG」は、相談支援事業所の事業運営に必要なすべての業務をサポートします。
アセスメントや計画・モニタリングの作成はもちろん、電子サインも可能なので利用者様とのスムーズなやりとりができます。
また、直感的にジェノグラム・エコマップを作成できるので、帳票作成にかかる時間の削減にも貢献します。
相談支援事業所運営にお悩みの方、お気軽にお問い合わせください。
お電話でのご案内も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
052-990-0322
受付時間:9:00~18:00(土日休み)
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