テラセルとBCPの関わり

私たち合同会社テラセルは、児童発達支援・放課後等デイサービスの組織運営・人材採用などに関するコンサルティングを行なっている会社です。
代表の豊島が防災士である背景もあり、多くの児童発達支援・放課後等デイサービスのBCP作成を支援してまいりました。

そのサポートを通して感じたのは、児童発達支援や放課後等デイサービスがBCPを策定するには、その施設が果たすべき役割や特徴をしっかり踏まえておくことが大切だということです。

いよいよ来年度（2024年4月）のBCP作成義務化が迫ってきたこともあり、「まず、何から手をつければ良いか教えてほしい」という声をいただく機会がここにきて増えてきました。

こうした経験を踏まえ、児童発達支援・放課後等デイサービスが「BCP策定で注意すべき3つのポイント」についてお伝えできればと思います。

本内容は、テラセルが児童発達支援・放課後等デイサービス事業者向けに主催している「BCP作成ワークショップ」から抜粋しております。

ポイント1. 変化や突発に弱い子たちの居場所ということを意識する

児童発達支援や放課後等デイサービスは、発達障がいや知的障がいを抱える子どもたちの居場所です。
彼ら彼女たちには、様々な特性があり一人一人違います。多くの子たちは「変化」や「突発の出来事」に対して弱い傾向があります。

突然起こる自然災害は、彼ら彼女たちにとってまさに「突発の出来事」です。災害後にパニックを起こしたり、予期せぬ行動を取ってしまうことは想像に難くありません。

大規模な災害が起きた時、大きな変化に弱い子たちの安全を守り抜くためには、事前の準備を欠かすことはできません。
義務付けられている訓練やシミュレーションの実施はもちろんのこと、在籍している子どもたちの特性や障がいの度合いなどを考慮したBCPを作成することが求められます。

例えば、障がいの度合いやリスクに応じて避難グループを編成しておくことは、パニックに陥る可能性の高い子のケアに注力できる体制を作ることになります。

いずれも災害が起こる前に準備しておけば、災害が起こった時に即座に危機を回避し、被害を最小限に抑えることに繋がります。

子どもたちの特性や災害が起こった際のリスクをしっかり把握してBCPに盛り込むこと。
これがポイントの1つ目です。

ポイント2. 災害の時間や場所で想定リスクが変化することを認識する

当然のことながら、災害はいつ何時起こるか予期したり想定したりすることはできません。
しかし、児童発達支援・放課後等デイサービスにとって「いつ災害が起こるのか？」を想定することでリスクは変わってきます。

例えば、「送迎中」に地震が起こったとしたら、教室にいる時とは異なるリスクが想定され、そのリスクを意識した行動が求められます。
また、「外遊び」の最中に地震が起こったとしたらどうでしょうか？別のリスクを想定する必要があります。

このように児童発達支援や放課後等デイサービスの日常の業務の中で、どんな時間帯や場所で災害が起こるか、様々なパターンを想定しながらBCPに盛り込むことが必要になります。

もちろん、当初から全てのケースを想定することは困難でしょう。
まずは基本となる内容を想定してBCPを作成した上で、
「このケースはどうだろう？」
「こんな時に災害が起きたらどうするのかな？」
と、徐々に想定するパターンを増やしていくことで、より強靭なBCPを策定できると考えます。

ポイント3. 少数のスタッフで復旧を目指す必要があることを自覚する

児童発達支援や放課後等デイサービスは、一つの事業所に多くても10名、平均だと5〜6名前後の少数のスタッフで運営されていることが一般的です。災害時は、その限られた少数のスタッフで、早期復旧を目指すことが求められます。

早期復旧のためには、各々のスタッフにしっかりと役割が与えられていることが重要になります。
そして、災害前からその役割に応じた訓練や準備がどれだけできているかにより、災害時にその役割を果たせるか否かが大きく左右します。

このためBCPの中には、災害前・災害後の各スタッフの役割や分担を明記します。
その際に意識すべきは、
「災害前と災害後の役割の繋がりを意識すること」と「管理者など特定のスタッフに役割が集中し過ぎないこと」です。

また、退職などによるスタッフの入替え時にも、役割の見直しや組み替えを検討する必要があります。

「少数のスタッフでどれだけ円滑に復旧を目指すことが出来るか」が、児童発達支援や放課後等デイサービスがBCPを策定する大きなポイントになります。

まとめ

児童発達支援や放課後等デイサービスが、BCP策定にあたり注意すべき3つのポイントのおさらいです。

上記に挙げた3つのポイントは、児童発達支援や放課後等デイサービスがBCPを策定する上でぜひ意識していただきたい点です。

2024年4月から義務化されるBCP策定は、「やらなくてはならないもの」ですが、
事業所の災害対応力を高める意味で「必ずいつか事業を助けてくれるもの」です。

受け身の姿勢では、実用的なBCPを作成することはできません。ぜひ、前向き・能動的な姿勢で策定に取り組んでいただくことをオススメいたします。

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今回、お話しを伺いしました合同会社テラセル様と株式会社ネットアーツで2024年1月23日（火）に共同オンラインセミナーを開催いたします。

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■参加料金：無料
■講師：合同会社テラセル×株式会社ネットアーツ
■会 場：オンライン会議システムZoomを使用します
　　　　入室方法については、お申し込み後メールでお知らせいたします

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