放課後等デイサービス業界に
広く通じる情報を随時配信中!


【ガイドライン】放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成の流れについて

2025/06/02

行政書士小澤先生の放デイコラム

【ガイドライン】放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成の流れについて

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは、放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!

今回は、令和6年度(2024年)に改定された放課後等デイサービスのガイドラインから放課後等デイサービス計画(個別支援計画)に関する情報です。

放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【ガイドライン】放課後等デイサービス計画の作成の流れについて<放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)24>』として、介護業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきましたので、その内容をご紹介します。

  • 実地指導に強い!放課後等デイサービス向け施設運営システム。加算要件を自動でチェックし、最適な人員配置をサポート。業務時間の短縮を実現します!
  • 放課後等デイサービスを運営している会社が開発 療育に特化した業界唯一のソフト HUGの資料請求をする

ガイドライン(令和6年度:2024年7月)改定

放課後等デイサービスや児童発達支援は、ガイドラインの内容に沿った運営を行うように義務付けられています。

放課後等デイサービスの適切な実施に当たっては、障害児相談支援事業所が、障がいのあるこどもや保護者の生活全般における支援ニーズや解決すべき課題等を把握し、最も適切な支援の組み合わせについて検討し、障害児支援利用計画を作成します。

放課後等デイサービスの事業所は、障害児支援利用計画における総合的な援助の方針等を踏まて、児童発達支援管理責任者が事業所の提供する具体的な支援内容等について検討し、放課後等デイサービス計画(個別支援計画)を作成し、これに基づき日々の支援を提供します。

そこで、この記事では、放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成についてのガイドラインの内容をご紹介します。

参考資料:「放課後等デイサービスガイドライン
参考資料:「児童発達支援ガイドライン
こども家庭庁支援局障害児支援課 令和6年7月

放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成の流れ

【ガイドライン】放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成の流れについて

放課後等デイサービスガイドライン(概要)P7図を参考に作成

児童発達支援管理責任者は、放課後等デイサービスを利用するこどもと家族のニーズを適切に把握し、放課後等デイサービスが提供すべき支援の内容を踏まえて放課後等デイサービス計画を作成し、すべての職員が放課後等デイサービス計画に基づいた支援を行っていけるように調整する。

また、提供される支援のプロセスを管理し、客観的な評価等を行う役割がある。


→このように児童発達支援管理責任者の職務について明記されています。
個別支援計画の具体的な内容については、以下の通りです。

(1)こどもと保護者及びその置かれている環境に対するアセスメント

〇 児童発達支援管理責任者は、こどもや家族への面談等により本人支援の5領域(「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」)の視点等を踏まえたアセスメントを実施する。
なお、「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」(令和6年4月)において、市町村が、支給決定の際に、介助の必要性や障害の程度の把握のために実施する「5領域 20 項目の調査」の結果について、保護者に対し、利用する事業所に交付するよう依頼することが望ましい旨示していることから、事業所は、保護者に対し、「5領域 20 項目の調査」の結果について確認の上、当該結果について、アセスメントを含め実際の支援の場面にも活用していくことが重要である。

〇 こどもと保護者及びその置かれている環境を理解するためには、こどもの障害の状態だけでなく、こどもの適応行動の状況を、標準化されたツールを用いたフォーマルなアセスメントや、日々の行動観察なども含むインフォーマルなアセスメントを使用する等により確認する必要がある。
また、こどもの発育状況、自己理解、心理的課題、こどもの興味・関心、養育環境、これまで受けてきた支援、現在関わっている関係機関、地域とのつながり、利用に当たっての希望、将来展望等について必要な情報を収集し、こどもと保護者のニーズや課題を分析する必要がある。

〇 保護者のニーズとこども本人のニーズは必ずしも一致するものではないため、まずはこどものニーズを明確化していくことが求められる。また、こどものニーズは変化しやすいため、日頃から状況を適切に把握して対応していく必要がある。

〇 アセスメントの実施に当たっては、全てのこどもが権利の主体であることを認識し、個人として尊重するとともに、意見を形成・表明する手助けをするなど、こども本人のニーズをしっかりと捉えられるように対応することが必要である。


→アセスメントに関して、標準化されたツールを用いたフォーマルやインフォーマルなアセスメントを使用することなどは、要注意事項です。
こどものニーズを明確化するということもポイントになります。

(2)放課後等デイサービス計画の作成

〇 障害児相談支援事業所等が作成した障害児支援利用計画や、自らの事業所でアセスメントした情報について、課題整理表等を用いて整理しながら、放課後等デイサービスにおけるニーズを具体化した上で、支援の具体的な内容を検討し、放課後等デイサービス計画を作成する。

〇 放課後等デイサービス計画の作成に当たっては、将来に対する見通しを持った上で、障害種別や障害の特性、こどもの発達の段階を丁寧に把握し、それらに応じた関わり方を考えていくとともに、こどもや保護者の意思の尊重、こどもの最善の利益の優先考慮の観点を踏まえて作成することが必要である。

〇 「最善の利益が優先して考慮」されるとは、「こどもにとって最も善いことは何か」を考慮することをいうが、こどもの意見がその年齢及び発達の程度に応じて尊重すべきものと認められる場合であっても、別の考慮要素と比較衡量して合理的に判断した結果、こどもにとって最善とは言い難いと認められる場合には、こどもの意見とは異なる結論が導かれることはあり得るものである。その際は、こどもに対し、適切に説明することが必要である。

〇 放課後等デイサービス計画の作成に係る個別支援会議の開催に当たっては、こどもの支援に関わる職員を積極的に関与させることが必要である。オンラインの活用も可能とされており、予定が合わない等により個別支援会議を欠席する職員がいる場合は、個別支援会議の前後に情報共有を行ったり意見を求めたりすることも必要である。
いずれにしても、こどもの支援に関わる様々な職員に意見を聴く機会を設けることが求められる。
また、こどもの意見を尊重し、こどもの最善の利益を考慮することが重要であることに鑑み、当該こどもの年齢や発達の程度に応じて、こども本人や保護者の意見を聴くことが求められる。
そのため、例えば、会議の場にこどもと保護者を参加させることや、会議の開催前にこども本人や保護者に直接会って意見を聴くことなどが考えられる。

〇 放課後等デイサービス計画には、「利用児と家族の生活に対する意向」、「総合的な支援の方針」、「長期目標」、「短期目標」、「支援の標準的な提供時間等」、「支援目標及び具体的な支援内容等」(「本人支援・家族支援・移行支援・地域支援・地域連携の項目」、「支援目標」、「支援内容(5領域との関連性を含む。)」、「達成時期」、「担当者・提供機関」、「留意事項」)を記載する。
それぞれの記載項目については、こどもと家族の意向とアセスメントを踏まえて、つながりを持って作成していくことが必要であり、「利用児と家族の生活に対する意向」を踏まえて「総合的な支援の方針」を設定し、それを受けた「長期目標」と「短期目標」、それを達成するための「支援目標及び具体的な支援内容等」を設定することが必要である。
児童発達支援計画の参考様式及び記載例については、別添1の「個別支援計画の記載のポイント」、を参照すること。

〇 放課後等デイサービス計画に、こども本人のニーズに応じた「支援目標」を設定し、それを達成するために、本ガイドラインの「放課後等デイサービスの提供すべき支援」の「本人支援」、「家族支援」、「移行支援」及び「地域支援・地域連携」のねらい及び支援内容も踏まえながら、こどもの支援に必要な項目を適切に設定し、その上で、4つの基本活動をベースとした具体的な支援内容を設定する。

〇 「本人支援」においては、5領域の視点を網羅した支援(総合的な支援)を行うことが必要であり、支援を組み立てていくに当たっては、(1)のアセスメントにおいて、5領域の視点を持ちながら、こどもと家族の状況を多様な観点・情報から総合的・包括的に確認・分析してそのニーズや課題を捉え、そこから必要な支援を組み立てていくことが重要であり、単に5領域に対応する支援への当てはめを行うだけの児童発達支援計画の作成にならないよう留意することが必要である。

〇 「本人支援」における5領域との関連性については、5領域全てが関連付けられるよう記載することを基本とするが、相互に関連する部分や重なる部分もあると考えられるため、5領域それぞれで、一対一対応で、異なる支援目標や支援内容を設定する必要はない。
ただし、5領域のうち相互に関連する部分や重なる部分を踏まえ、これらをまとめた上で支援目標や支援内容を設定した場合であっても、各領域との関連性についての記載は必ず行い、「本人支援」全体として5領域全てが関連付けられるようにする必要がある。

〇 「本人支援」においては、計画期間内に、特に重点的に取り組むものとそうではないものなど、支援内容の実施頻度に差がある場合も想定される。しかしながら、計画期間内における実施頻度が低いと見込まれる支援内容であっても、こどもの生活全般を通じて5領域との関連性が担保できるよう、5領域全てとの関連において必要な支援内容を記載することが必要である。

〇 「本人支援」において、5領域の視点を網羅した支援(総合的な支援)に加え、特定の領域に重点を置いた支援を行う場合についても、放課後等デイサービス計画に記載することが必要である。

「移行支援」については、地域社会への参加・包摂(インクルージョン)を推進する観点から、支援の中に「移行」という視点を取り入れ、放課後児童クラブ等の他のこども施策との併行利用や移行に向けた支援、同年代のこどもとの仲間づくり等の取組を記載する。

「支援目標及び具体的な支援内容等」においては、放課後等デイサービスの基本となる「本人支援」、「家族支援」及び「移行支援」について必ず記載することとする。「地域支援・地域連携」については必要に応じて記載することとするが、関係者が連携しながらこどもと家族を包括的に支援していく観点から、当該事項についても積極的に取り組むことが望ましい。

〇 支援内容については、「いつ」、「どこで」、「誰が」、「どのように」、「どのくらい」支援するかということが、放課後等デイサービス計画において常に明確になっていることが必要である。

〇 こどもや保護者に対し、「放課後等デイサービス計画」を示しながら説明を行い、こどもや家族の支援として必要な内容になっているかについて同意を得る必要がある。

将来に対する見通しを持った上で、障害種別、障害の特性やこどもの発達の段階を丁寧に把握し、それらに応じた関わり方を考えていくことが必要である。

〇 支援手法については、個別活動と集団活動をそのこどもに応じて適宜組み合わせることが必要である。

〇 事業所において作成した放課後等デイサービス計画は、障害児相談支援事業所へ交付を行うことが必要である。

(3)タイムテーブルに沿った発達支援の実施

〇 事業所における時間をどのようにして過ごすかについて、一人一人の放課後等デイサービス計画を考慮し、一日の時間と活動プログラムを組み合わせたタイムテーブルを作成する。
タイムテーブルは、こどもの生活リズムを大切にし、日常生活動作の習得や、こどもが見通しを持って自発的に活動できるよう促されることが期待される。

〇 発達支援の時間は十分に確保されなければならず、送迎の都合で発達支援の時間が阻害されることのないようタイムテーブルを設定しなければならない。

〇 活動プログラムは、こどものニーズや状況、こどもの障害種別、障害の特性、発達の段階、生活状況等に応じて、その内容を組み立て、職員も交えながらチームで検討していくことが必要である。
提供される活動プログラムを固定化することは、経験が限られてしまうことにもなるため、活動プログラムの組合せについて、創意工夫が求められる。
活動プログラムの内容は、本ガイドラインの「放課後等デイサービスの提供すべき支援」の内容等を十分に踏まえたものでなければならない。

〇 集団活動の場合は、対象となるこどもの年齢や障害の状態の幅の広さを考慮しながら、活動プログラムを作成する必要がある。こどもの年齢や発達上のニーズが異なることも多いことから、年齢別、障害種別又は発達上のニーズ別に支援グループを分けることなどの工夫も必要である。

(4)放課後等デイサービス計画の実施状況の把握(モニタリング)

〇 放課後等デイサービス計画は、概ね6か月に1回以上モニタリングを行うことになっているが、こどもの状態や家庭状況等に変化があった場合には、6か月を待たずしてモニタリングを行う必要がある。
モニタリングは、目標達成度を評価して支援の効果を測定していくためのものであり、単に達成しているか達成していないかを評価するものではなく、提供した支援の客観的評価を行い、放課後等デイサービス計画の見直しの必要性を判断する。

〇 障害児支援利用計画との整合性のある放課後等デイサービス計画の作成と支援の実施が重要であることから、モニタリング時においても、障害児相談支援事業所と相互連携を図りながら、情報共有を行うことが重要である。

(5)モニタリングに基づく放課後等デイサービス計画の見直し及び支援の終結

〇 モニタリングにより、放課後等デイサービス計画の見直しが必要であると判断された場合は、放課後等デイサービス計画の積極的な見直しを行う。その際、支援目標の設定が高すぎたのか、支援内容が合っていなかったのか、別の課題が発生しているのか等の視点で、これまでの支援内容等を評価し、今後もその支援内容を維持するのか、変更するのかを判断していく。
現在提供している放課後等デイサービスの必要性が低くなった場合は、放課後等デイサービス計画の支援目標の大幅な変更や支援の終結を検討する。

〇 放課後等デイサービス計画の支援目標の大幅な変更や支援の終結に当たっては、放課後等デイサービス事業所から家族や障害児相談支援事業所、学校等の関係機関との連絡調整を実施し、障害児支援利用計画の変更等を促す。
なお、放課後児童クラブに移行する場合や学校卒業後に障害福祉サービス事業所を利用する場合など、他の機関・団体に支援を引き継ぐ場合には、これまでの放課後等デイサービスの支援内容等について、適切に情報提供することが必要である。

まとめ

児童発達支援管理責任者は、放課後等デイサービスを利用するこどもと家族のニーズを適切に把握し、提供すべき支援の内容を踏まえて放課後等デイサービス計画(個別支援計画)を作成し、放課後等デイサービス事業所のすべての職員が放課後等デイサービス計画(個別支援計画)に基づいた支援を行っていけるように調整し、そのプロセスを管理し、客観的な評価等を行わなければならなりません。

放課後等デイサービス計画(個別支援計画)は、将来に対する見通しを持った上で、障害種別や障害の特性、こどもの発達の段階を丁寧に把握して関わり方を考慮していくとともに、保護者の意思を尊重するとともに、こどもの最善の利益を優先しながら、ガイドラインに則り作成します。

また、モニタリングに基づき、放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の見直しも障害児相談支援事業所と相互連携を図りながら行っていきます。

放課後等デイサービス計画(個別支援計画)の作成と見直しは、運営指導(実地指導)対策としても、施設運営においてとても重要なガイドラインの内容は、しっかりと理解しておきましょう。

障害児支援利用計画の作成については、こちらの記事をご覧ください。
▶▶【ガイドライン】障害児支援利用計画の作成の流れについて
 

さいごに

弊社が提供している「HUG」は、療育支援に特化した業界唯一のシステムです。
令和6年度4月の法改正に関する、5領域の記載、利用予定時間と延長支援の必要性などの別表への記載も対応しております。

個別支援計画書の作成はもちろんのこと、モニタリングやアセスメント、担当者会議の議事録まで一通りの流れを記録することができます。
記録した情報をもとに帳票を自動作成するので、記入ミスや漏れを防ぐだけでなく、書類作成の時間短縮が可能になります。

また、個別支援計画の有効期限が迫ってくると、TOPページへ表示する「お知らせ機能」も備えています。
再作成時期を教えてくれるので、個別支援計画の未作成を防ぐことができます。

個別支援計画のサポート機能を備えた専用ソフトの導入は、利用者へのより良い支援につながります。
ぜひご検討ください!

HUG個別支援計画についての詳細はこちら

お電話でもご案内も受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
052-990-0322
受付時間:9:00~18:00(土日休み)

小澤信朗先生のご紹介

利用者負担上限額管理をする必要が初めて出てきた場合の対応

1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。

山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。

  >放デイ・ラボのYouTubeチャンネルはこちら

  • 放課後等デイサービスを運営している会社が開発 療育に特化した業界唯一のソフト HUGの資料請求をする
  • 開業スタートダッシュパック 内容を詳しく見る

メールマガジンの登録

新着記事や放課後等デイサービスに関するお役立ち情報をお届けします!

メールマガジンの登録はこちら


アクセスランキング
カテゴリ

最新の記事
話題のキーワード




本件に関するお問い合わせ先:株式会社ネットアーツ TEL:052-990-0322 E-mail:hug-support@netartz.com
本記事の転載・無断複製を禁じます © Netarts Co., Ltd. All Rights Reserved.