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相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

2020/03/02

相談支援専門員による個別支援計画講座

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

みなさん、こんにちは。相談支援専門員の大場です。今回から「相談支援専門員による正しい個別支援計画講座」と題して、個別支援計画の作成に関する情報を、私自身の体験を交えつつお伝えしていきます。
 
第1回では、個別支援計画の簡単な概要と、実際に計画案を立てる時に注意してもらいたい項目をご紹介していきます。お子さまや保護者の方はもちろん、支援者の方にとってもプラスになる個別支援計画とは何か、この記事を読んで振り返るのもおすすめです。
 

  • 【実地指導に不安をお持ちの方へ】放課後等デイサービスガイドラインに則って個別支援計画の作成ができます!

個別支援計画とは?作成する意義と目的

個別支援計画を作成する意義としてベースにあるのは、「事業所を利用するお子さま自身がどう過ごすのか」ということです。そして作成した個別支援計画は、「誰が支援しても同じ方向性で目標達成を目指すため」のツールのひとつにもなります。
 
個別支援計画は、主に事業所でお子さまがどう過ごすのか、事業所が提供できる支援内容は何かを明確にします。作成するなかで、保護者の方の想いを反映したり、達成可能な目標を立てたり、大切なポイントは様々です。しかし、一番大切な「施設を利用されるお子さま自身の目標」がブレてはいけません。
 
目標がブレてしまうと、支援内容やアプローチの仕方も統一されず、次第に方向性がバラバラになるおそれがあります。とくに適切なアプローチを受けられないと、本人にとってマイナスな状態が続き、時に二次障がいが発生してしまうかもしれません。

●二次障がいについて 
発達障がいは、「本人が元から持っている特性」あるいは「一次障がい」として認識し、適した支援や環境に整えることでよくなるケースが多いです。しかし、特性として認識されないまま、間違ったアプローチや失敗体験などを繰り返することで、うつ状態や統合失調症などの「二次障がい」が起こる場合があります。
 
また、学校生活をトラブルなく過ごしてきたお子さまでも、社会に出てからコミュニケーションがうまくいかず、うつ状態などになって初めてADHDだと発覚することがあります。これも本人が元々持つ特性に対して、適したアプローチができなかったことで「二次障がい」が発生してしまったケースです。
 

個別支援計画の作り手の想いとは

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

事業所で個別支援計画を作成する人にとって、計画書は、作れば作るほど「書類のため」「監査のため」という気持ちが強くなりがちかもしれません。しかし、やはり大切なことは、これまでのことを踏まえた上で、個別支援計画を必要とするお子さま自身の将来を想像しながら作成することです。
 
お子さまが小学生であれば、その子が中学生、18歳になったときあるいは社会に出たときのことを想像しながら、半年後あるいは1年後の見通しをしてプラスの計画を立てます。プラスの計画は、お子さま自身だけでなく、まわりも自然とハッピーな気持ちにしてくれるからです。
 
当然のことながら、必ずしも想像に沿っていったり、沿わせたりすることが絶対なわけではありません。あくまで前向きな未来を想像しながら、「お子さまがこの1年間をどう過ごすか」「事業所でできることは何か」などを考えながら作ると、作り手もワクワクします。そしてそのワクワクする気持ちは、シートにも反映されていきます。
 
ただし、楽しい未来を想像するだけではより良い個別支援計画は作成できません。もうひとつ欠かしてはいけないのが、お子さま自身の過去のことです。
 
「過去のこと」とは、ここでは「お子さま自身が今までしてきたこと」「お子さま自身にあったこと」「関わるご家族やまわりのこと」などを指します。過去のことは、これから先起こり得ることであり、どう対処すればマイナスにならないかを明確にする唯一のアセスメントです。
 
私の場合、とくに小学生・中学生のお子さまの個別支援計画を作成するときには、ご家族の方と一緒に0~24歳ごろまでのシートを一気に作ります。0歳から今までどんなことがあったのか、これからどんなことが起こり得るのかなど、「過去のこと」と「これからのこと」を次々に書き出していきます。
 
その過去のことを踏まえた上で、お子さま自身がこの先どう過ごすのかという「将来のこと」を考えながら作成するまでが1セットです。「これまでどんな過去があったから、お子さまがどういう風に過ごしていきたいのか」を汲み取り、さらにこれからの計画をたてていくことで、よりお子さまのため、ご家族のためになっていくと思います。

サービス等利用計画と個別支援計画の違い

サービス等利用計画と個別支援計画はよく混同される方も多く見受けられます。どちらもお子さまにとってとても大切なものなので、それぞれの役割について確認してみましょう。
 
●サービス等利用計画は「本人の希望を生活全般に反映するための計画」を立てる
「人生の設計図」とも呼ばれるサービス等利用計画の内容は、基本的にサービスに限りません。いわゆる福祉サービスと呼ばれるもの以外も含め、「本人にとっての社会的な障害を減らすために必要なこと」が書かれています。
 
そしてサービス等利用計画を作成する時は、例外もありますが、福祉サービス以外の相談も受け付けている場合が多いです。そのため放課後等デイサービスなどの事業所を利用する以外の時間を含め、24時間生きていく中での大きな目標が立てられます。
 
●個別支援計画は「より具体的に、本人にとってどんな支援が必要か」を明確にする
一方の個別支援計画は、「この1年間どう過ごすのか」「そのために必要な支援は何か」など、「大きく立てた目標を踏まえて、事業所で何ができるのか」を書いていきます。また、個別支援計画は別の事業所の支援を知るツールにもなるため、「お子さまの向かう目標に寄り添った支援とは何か」を改めて考える機会とも言えるでしょう。
 
つまり、人生の設計図であるサービス等利用計画に沿って、夢や希望の道しるべとなる支援内容を考えるのが個別支援計画といえます。そのため個別支援計画がサービス等利用計画に寄りすぎると事業所ではできないことが出てくるでしょう。しかし外れすぎると、本人の想いとは違う方向へ行ってしまうので注意が必要です。

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

●ここに注意!個別支援計画を立てるタイミング
基本的には、サービス等利用計画が作成され、担当者会議でお子さまとそのご家族の想いが共有された後に、個別支援計画が作成されます。しかしこれまで多くの個別支援計画を見ていく中で、作成するタイミングがズレているケースがあることに気がつきました。
 
個別支援計画は、お子さまが事業所に通われる前に作成するものなので、「タイミングがズレる」という表現に、あまりピンとこないかもしれません。そこで、簡単な例をひとつ挙げてみます。
 
たとえば、6月から事業所に通い始めるお子さまの個別支援計画を、6月のタイミングで作成すると、次の作成は遅くとも12月になります。これは少なくとも半年に1回、事業所に通うお子さまにモニタリングをかけ、計画の見直しをすることが義務付けられているためです。
 
一方、サービス等利用計画はお子さまの誕生月に作成される場合が多いです。そのため、例に挙げた6月から事業所に通い始めるお子さまの誕生月が4月の場合、10月にサービス等利用計画が作り直されます。
 
つまり10月の段階で、このお子さまには、新しいサービス等利用計画に沿った個別支援計画がなくなってしまいます。これが「個別支援計画を立てるタイミングがズレる」ことによって起こる問題です。
 
この問題を解決するため、サービス等利用計画が立てられてから半年のタイミングでモニタリングをかけ、相談員と担当者が話し合うことがベストだと言えます。とくにサービス等利用計画は、書類ですべてが把握できるほど具体的なものではありません。
 
実際にお子さまがどう通ったのか、ご家族の方がどう思ったのかなど、行動だけでなく気持ちの部分の共有も非常に大切です。モニタリングなど振り返りの場で改めても目標を統一させることで、より同じ方向へと支援しやすくなります。

個別支援計画を立てるプロセス

個別支援計画が作成される順番は、基本的にどの自治体でも同じです。まずお子さま本人とご家族の方とアセスメントを行い、それぞれが希望する目標や受けたい支援内容を把握します。
 
アセスメントで得た情報を元に、児童発達支援管理責任者(以下、児発管)が個別支援計画の原案を作成し、担当者会議で情報のすり合わせを行います。「お子さま本人の想いに沿っているか」「この支援内容で本当に目標達成に向かえるか」など、確認するポイントは様々です。
 
相違がないことを確認し、本案としての個別支援計画が作成された後は、本人やご家族の方にも確認していただきます。ここで合意を得られて、初めて完成です。
 
完成した後は、少なくとも半年に1回、モニタリングを行い、個別支援計画の見直しを行います。見直すときは、必要に応じて再びアセスメントや担当者会議を行うこともあります。

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

●最大25人での全体会議!実際に行っていた取り組み
これからご紹介するのは、私が以前勤めていた所で個別支援計画を作成するために実際に行っていた取り組みです。他の事業所でも必ず行っているとは限りませんので、その点を踏まえて読んでいただければ幸いです。
 
私が行っていたのは、個別支援計画の原案作成で行う2回の担当者会議のうち、必ず1回は他の事業所の担当者、時に医療者全員も集めた全体会議を開く取り組みです。最大25人を集めたこともあります。全員の都合を合わせて開くのはなかなかに大変ですが、そこまでして得られるメリットも十分にあります。
 
以下は、実際に私が感じた3つのメリットです。どれひとつとっても、お子さまが事業所を利用する上で欠かせないものでもあります。

1.他事業所とより正確な情報の共有ができる
お子さまが他の事業所も利用する場合、お互いに同じ目標に向かっているか、支援内容が十分であるかを確認できます。2回目の会議は、1回目に決めた内容と原案が外れていないか確認することで、事業所同士でのすれ違いを防げることも大きな強みです。

2.より本人の希望に寄り添った計画になる
他の事業所が作成した個別支援計画から、今まで知らなかった表現の仕方に気づくことがあります。また、「他の事業所の支援内容が自分の事業所でもできるかもしれない」と考えるきっかけになることも期待できるのが特徴です。

3.保護者の方も安心できる
「2回会議を開き、そのうち1回は全員を集めて会議を行う」というのは、事業所にとって当然大きな負担になります。しかし、そうすることで保護者の方からは「安心して事業所を利用できる」というお言葉をいただくことができます。「しっかり話し合っている」「全員が同じ目標を共有している」という事実が大きな強みになるからです。
 

●全体会議を行うための工夫
全体会議は相談支援専門員が開催するものですが、相談員が全体会議の場を設けない場合は児発管が積極的に声掛けするのが理想的です。
 
また、電話やFAXでのやり取りだけでは、伝えきれないことも多いため、「実際に来ていただく」ことがとても大切になります。相談員に、「お子さま自身を客観的に見ていただく」こともおすすめです。
 
お子さまが事業所で過ごすのを客観的に見ていただくことで、「今まで意識していなかったけれど、こういう部分が危ない」「こういうこともできる」と気づく場合もあります。気づいた部分は個別支援計画に追加することで、よりお子さまに寄り添ったものになっていきます。
 
実際に私が開いた全体会議は、はじめに1時間なら1時間と時間を決めて、その時間内に集めた全員に話を聞き、最後に結論を出して終わる、というのが一連の流れでした。会議の前に、議題について各事業所から意見があれば事前に聞き出し、話し合うであろう内容を私のほうで考えておく、という工夫を行うことがポイントです。
 
会議を進めるときは、事前に考えていた内容を元に、集めた全員にそれぞれ話をふっていきながら、他の方の意見も聞きます。最後に話し合った内容をまとめて結論を出し、各事業所で会議の内容を共有しつつ、個別支援計画を作成していきます。

個別支援計画の作成時によくある指摘事項

これまで私は、個別支援計画を自分で考えるだけでなく、多くの方が作成した計画書を見てきました。そして指摘が入る個別支援計画には、概ね共通した特徴があることに気がつきました。
 
内容によっては監査や実地指導でも指摘される可能性があります。今回ご紹介する指摘事項はあくまで一部ですので、事業所で作成されている個別支援計画は本当に「お子さまのためになっているか」、今一度確認してみてはいかがでしょうか。

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(1)|個別支援計画とは

●「24時間の見通し」ができているか
これまで指摘した個別支援計画のなかで、特に多いのが「事業所を利用している時間の計画だけで、1日の見通しができていない計画書」です。施設内容を明確にするのが個別支援計画なので、一見問題がないように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし、当然のことながらお子さまは、「事業所を利用する5時間」ではなく「24時間」を生活しています。そのため、個別支援計画も「お子さまが24時間生活していること」を想像しながら作成することが大切です。
 
個別支援計画は、「○○だから事業所に通う」というニーズために作成されます。1日の見通しができていないと、事業所を利用する時間だけの計画になるため、ニーズが「事業所に通うこと」に逸れていってしまうのです。
 
また、24時間の見通しができていない計画書に多いのが、「事業でこういう訓練をするので、家でもこういう訓練をしてください」というものです。保護者の方の負担を減らすために事業所を利用するはずなのに、逆に負担を増やしてしまっては、元も子もありません。
 
 
●「事業所に通いたい」のか「事業所に通わせたい」のか
「事業所に通うため」の支援内容が書かれた個別支援計画では、お子さまが本当に希望する目標へと向かえないことがあります。「事業所に通うこと」を希望するのは、お子さまではない場合があるからです。
 
もちろんお子さま自身が「事業所に通いたい」と希望しているのであれば問題ありません。しかし、ご家族の方が「事業所に通わせたい」と希望している場合、その旨を個別支援計画書に書くべきです。
 
言い方をかえると、「事業所に通わせたい」というニーズの場合、「お子さまが事業所に通いたくなるようにするまでにどうするか」を考える必要があります。一方で、もともと「事業所に通いたい」というニーズであれば、「どんな支援をするか、本人が楽しんで過ごすためにはどうするか」から考えられます。
 
「誰が」希望しているのか、という点はとくに個別支援計画に書いておきましょう。「事業所に通いたい」のか「事業所に通わせたい」のか、最初にニーズが明確になることで、支援内容がブレることを防ぎます
 
●以前の計画書と内容が全く同じになっていないか
半年や1年では目標が大きく変わらないお子さまは珍しくありません。そのため、「去年と変わらないんですけど…」と同じ支援を希望するご家族の方も多くいらっしゃいます。
 
しかし、個別支援計画までも同じ記述のままでいいわけではありません。確かに目標は変わりませんが、お子さま自身は半年や1年経てば必ず何かしらの変化があるはずです。
 
個別支援計画を作る人にとって大切なのは、「去年と同じなんですけど、こういう部分がもうちょっと…」の「もうちょっと」を拾い上げることにあります。「もうちょっと」の部分を汲み取らずに「去年と同じ」で済ませてしまうと、支援内容はずっと変わりません。
 
こういうところはできた、それを踏まえた上でまだこの点が足りない」という気づきの部分を反映させることで、計画書は去年と別のものになります。支援内容も自ずと変化するはずですので、半年後のお子さまにはまた新しい変化がみられるはずです。
 
「拾ったニーズをそのまま入れる」というのは、監査や実地指導などではあまり指摘されないかと思います。しかし、お子さま自身のことを思っているのであれば、しっかり意識していただきたいポイントのひとつです。

本人の言葉としてそのまま残すことで、受け取った人、聞き取った人によっての解釈違いも防げます。担当者会議などで正しい要望が共有できるようになることも強みです。

まとめ

個別支援計画は、「お子さまが希望する将来」をご家族の方や支援をするスタッフ全員と共有することを目的としています。また、誰が支援しても同じ方向性で目標達成を目指すためのツールのひとつでもあります。
 
支援内容が目標から外れないように、はじめに「誰からのニーズなのか」を明確にし、お子さまが生活する24時間を見通しながら作成していくことが大切です。計画を見直す場合は、支援内容や目標がコピペにならないよう注意しましょう。
 
担当者会議は他の事業所と目標を統一させ、不備がないように確認し合うと、保護者の方の安心感も得られます。全体会議を開くことも望ましいですが、難しい場合は相談員の方に事業所まで来ていただくなどの方法をとることもおすすめです。

さいごに

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