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相談支援専門員による個別支援計画作成講座(4)|相談支援専門員目線で気を付けてほしいこと

2020/09/14

相談支援専門員による個別支援計画講座

相談支援専門員による個別支援計画作成講座(4)|相談支援専門員目線で気を付けてほしいこと

みなさん、こんにちは。相談支援専門員の大場です。前回は、個別支援計画作成のプロセスについてご紹介しました。


第4回では、「相談支援専門員目線で気を付けてほしいこと」と題し、個別支援計画の作成時に気をつけておくと良い点についてお話しします

毎日情報を残らず回収しよう

まず日々児童発達支援管理責任者(以下「児発管」と称する)の方に行っていただきたいのはスタッフから現場の情報をしっかり聞き取るということです。
聞き取るというのはただ聞くだけではなくて、その情報について考えを深めていくことが大切です。
わからない表現やニュアンスがあれば、それってどういう状況だったの?と直接現場のスタッフから情報を聞き取っていきます。
もちろん1人だけでなく、その日にいるスタッフ全員に意見を聞くことが大切です。
同じ状況でも見方や感じ方が違っている可能性があるからです。
 
つまり1日の振り返りのような形で、その日スタッフが現場から見たり聞いたりして得た情報を必ず吸い上げてあげてほしいです。
児発管の方のこの振り返り行動がないと、せっかく集めた子どもたちの言葉や動きの情報が児発管まで回ってこず、個別支援計画に反映が出来なくなってしまいます。
 
もちろんスタッフの声がすべてではありませんが、スタッフの声を聞くことは自分がいなかった現場の状況を知れると共に、スタッフとの考えの違いであったり、スタッフ間での子供たちの反応などへの考え方の違いを知ることが出来ます。
時には「それは違うよ」「こういう意味合いじゃなかったかな」と一緒に考えることで、子供たちを理解すること、そしてスタッフとの信頼関係を築くことにもつながっていきます。

全体把握は子どもたちのためだけではなくスタッフのためにもなる

児発管の方は、自分が全体的な把握が出来るためのものを一つ作るべきだと思います。
 
後ほどご紹介させて頂きますが、自分で全体を把握できる用のシートを作り活用していました。
ここでいう全体というのは利用者の方はもちろんスタッフも含めて全てです。
 
というのも、自分のことを分かっていないと感じてしまうと利用者の方はもちろんですが、スタッフも離れていってしまいます。
またせっかく良い個別支援計画や良い補助シートを作成しても、スタッフとの間で考えに相違があると、どうしてもサービスの内容に影響が出てきてしまいます。
最悪の場合、スタッフからもらうことのできる保護者様からの情報など、一番大事なものを聞き逃してしまうこともあるかもしれません。
また児発管の方がせっかく立てた個別支援計画に沿って支援を行うことができない可能性もあります。
 
そうならないようにもスタッフも含め、一人残さず自分のことを分かってくれていると思ってもらえることが必要だと思います。
個別支援計画を立てにくいと感じている児発管の方は、特にこの「情報が入ってきていないということ」と、「スタッフや利用者さんのことがしっかり把握できていない」可能性が高いと思います。

補助シートの活用

先述したようにスタッフや利用者さんのことを把握することはとても大切です。。
その振り返りを行う上で私は「補助シート」というものを作成して活用するのが良いと考えています。
補助シートとは、日々の計画を記載したり、その日起こったこと、感じたこと、ケアを行った時間などを振り返ることができるように私が作成したシートです。
 
例えばその日来る利用者の方用の補助シートを、その日働くスタッフさん一人一人に合わせて作成していました。
子供たちと会う時間から、送迎のさよならの時間までの計画を時間ごとに作り、その横にスタッフに実際ケアを行った時間の記録、感想を書いてもらっていました。
 
同じスタッフが2日連続で出社するようだったら、もう一度同じ内容のシートを渡して同じように書いてもらう。
そうすると書いている本人も昨日の自分との違いが分かったり、
「昨日は私がこういうことを言ったからこの時はよくなかったんだと思って、表現の仕方を変えてみたら受け取り方が変わりました」とかスタッフも自分がどう変わっているかが見えるようになっているんです。
 
補助シートを作成することでスタッフの感じたことや現場の子供たちの様子も細かく確認することが出来ます。
そうするとやはり現場のスタッフとの意見のずれは少なくなってきます
そして自分がその場にいなくても、スタッフと子供たちとの様子が分かり、個別支援計画にもしっかり現場の声が反映されてくると思います。

スタッフ用の補助シートについて

スタッフ用にもスタッフ育成用の個人毎の補助シートを作っていました。
スタッフ用を作ることで、自分を見てくれているという安心感をスタッフに与えられたり、スタッフの現状の把握を行うことが出来ます。
 
スタッフ用はみんな全て同じ内容で、利用者さん毎の項目を作成して、「○ スタッフさん・利用者様どちらも安心して過ごせる」「△ ある程度できるが不安な面がある」「× 場にまだ慣れていない、利用者様のことをこれから知っていく段階」で評価してコメントもつけていました。
もちろん×が付けば、その利用者さんには一人で対応することがないようにします。
いいアセスメントを取る為にも、マッチングも大切だと思います
そこで違う職員が行うのを実際に見せて、こういう風に行えばいいんだと思わせること、気づかせてあげることも大切なのではないでしょうか。
 
またそこで×だった評価が、出来るようになって○になるとスタッフの成長ももちろんですが、そこで必ず子供たちの成長もあると思うんです。
どうして暴れてしまうのか、どうして関係性があまり良くないのかなという問題を解決できたときに、それもアセスメントの一つだと思いますし、それも個別支援計画がかわるひとつの内容になってくると思うので、補助シートがあるとそういった面でも役に立つのかなと思います。

時間がなくて作っていられない!という方にこそ

そんな補助シートなんて作ってられない!っていう方も中にはいると思います。
でも本当は現状を大変だと感じている方こそ、作ると楽になると思います。
 
スタッフからすればスタッフ用の補助シートはちゃんと見てもらえているという安心感を与えますし、利用者さんの補助シートは何をするのかが明確になり、スタッフの多少の考えの違いがあったとしても、基盤となる計画は皆が同じ認識でいることが出来るので、より個別支援計画に沿ったサービスを提供することができます
更に先ほども申し上げたようにスタッフの成長があれば、またそれも利用者様により良いサービスを提供できるようになり、また良い計画を作ることが出来る。
そしてモニタリングをした時にまた振り返ることが出来る、という良いサイクルを生み出すことが出来ると思うんです。
 
もちろん最初はその基盤を作ることが難しく、時間がかかりそうであれば、最初は1日の初めに個別支援計画を渡すことに加えて、口頭である程度今日行うことを伝えられるだけでも変わると思います。
不慣れなスタッフさんがいればなおのこと、ある程度道筋を建てることが出来ると思います。

相談員目線でみた良い個別支援計画を作る事業所とは

ある事業所の児発管の方は利用者さんはもちろんのこと、スタッフのことも上手にアセスメントをしていて、スタッフは管理者さんを本当に尊敬していましたし、ご家族からの信頼もとても厚い方でした。
また本当に相談員を使うのが上手な方でした
 
私がつくったサービス利用計画案も上手に盛り込んでくださって、案を見てわからないところがあれば聞いてくださる。
保護者様の言葉とかも、どういう表現でしたか?と聞いてくださったり、相談員である私をうまく使ってくださっていたと思います。
児発管の方は、保護者様に聞きづらいこととかも、私のような相談員を使って聞いてくれればいいと思うんです。
やはりお家に行ってしっかりお話を聞けるのは相談員しかいないと思うので、事業所では話辛いことや、保護者様のお悩みとかも聞くことが出来ますし、相談員もどのタイミングでこういった内容を聞けばよいのかわからない時もあると思うので、管理者さんの方から相談員をうまく使って聞いてくださるといいと思います。
 
先ほどの話につながりますが、
ここで相談員をうまく使うことでまた、保護者様からの情報をもらうことが出来、
計画書に盛り込めるようになると思うんです。
児発管の方お1人だけでは、やはりあらゆる情報を集めるのは難しいと思うので、だからこそ現場のスタッフや相談員から情報を集めることが大事だと思います。
 
 
情報がしっかり集められていて、補助シートなどでしっかり管理が出来ていれば、自然と余裕をもって対応をすることが出来ると思います。
スタッフも自分のことを分かってもらえていると感じ、余裕が出てくると、より良い雰囲気を作っていくことが出来ますし、結果的に利用者さんの為になり、スタッフの為になり、保護者の方のためになり、また自分を楽にすることが出来ます。

まとめ

児発管の方は相談員やスタッフからあつめられる情報を、1日の振り返りの中で日々漏れなく聞き取ることが大切です。
振り返りを行うことで、より実際の現場の状況と相違のない個別支援計画を書くことにもつながりますし、自分が現場を理解することにもつながります
また聞き取るだけでなく、相談員やスタッフから情報をもらうためにも、周りに協力してもらって情報を集めてきてもらうことで、より良い個別支援計画をつくることができるようになると思います。

さいごに

放課後等デイサービスの事業を続けていくために、専用ソフトの活用も極めて有効な手段の一つになります。弊社が提供している「HUG」はその業務のサポートに特化した業界唯一のシステムです。

HUGは、個別支援計画書の作成はもちろんのこと、モニタリングやアセスメント、担当者会議の議事録まですべて記録しておくことができます。記録した情報をもとに帳票を自動で作成しますので、記入ミスや漏れを防ぐだけでなく、書類作成の時間短縮が可能です。

また、個別支援計画の有効期限が迫ってくると、事前にTOPページへ表示してお知らせする機能も備えています。再作成の時期を教えてくれるので、見直し忘れもありません。

サポート機能を備えた専用ソフトの導入は、日々の業務を効率化するのにとても効果的です。
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