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重心型放課後等デイサービスについて

2025/09/16

放課後等デイサービス運営お役立ちコラム

重心型放課後等デイサービスについて

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!

障害児通所支援事業所は、一般の事業所と主に重症心身障害児を受け入れる重心型と呼ばれる事業所(以降:重心型と本記事では記載)があり、この違いにより配置基準が大きく異なります。

増加傾向にあると言われている放課後等デイサービスや児童発達支援ですが、一般の事業所数に比べ、重心型の事業所はまだまだ足りません。そこで運営が難しいと思われている重心型事業所について、詳しく説明します。

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重心型事業所とは

重心型の放課後等デイサービスとは、特別支援学校や小学校・中学校・高等学校に通う重症心身障害児に特化した支援・療育を提供する放課後等デイサービス事業所です。
医療的ケア児の利用の有無に関わらず、看護職員を配置する必要があります。

また就学前の児童を受け入れる重心型の児童発達支援もあります。

重症心身障害とは、重度の身体障害と重度の知的障害を併せ持った状態のことをいいますが、医学的な診断名ではなく児童福祉法上の定義になります。

重症心身障害児の区分法として用いられる「大島分類」では、寝たきりまたは座位までの運動機能を持つIQ35以下の児童と定義されており、食事や排泄など日常生活のあらゆる場面での介助が必要で、医療的ケアを必要とする児童も多く、主に以下のような特徴を持つ児童を指します。

特徴
・自力で起き上がれない
・自力での移動が困難
・排泄に全介助が必要
・自力で食事ができない
・手足に変形・拘縮が生じている
・筋肉の緊張で思うように手足を動かせない
・言葉による理解や意思伝達が困難
・喀痰吸引(たん吸引)が必要な人が多い

参考資料:重症心身障害児施設に関連する説明資料および要望事項


重症心身障害児の支援には高い専門性と配慮が必要になるため、一般の事業所とは異なる報酬体系と人員配置基準が設定されています。

一般の放課後等デイサービス・児童発達支援では定員10名以上のところ、重症心身障害児を主に受け入れる場合では定員が5名以上となります。
詳しくは、「重心型放課後等デイサービスの基本報酬」で説明します。

重心型事業所の受け入れ体制

重心型放課後等デイサービスについて

重心型放課後等デイサービスは、重症心身障害児に特化した支援・療育を提供する放課後等デイサービス事業所です。主に重症心身障害児を受け入れますが、医療的ケア児を受け入れる場合は、看護職員を追加で配置する必要があるなど、受け入れ体制を整える必要があります。

重心型事業所の施設運営で混同しやすいこととして「医療的ケア児」の受け入れがあります。ここにいくつかの違いがあり、混同して理解していると、サービスの提供体制や人員配置に大きなズレが生じてしまいます。

 重症心身障害児とは 
重症心身障害児(以降:重心児)は、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態の児童です。
症状は個人差がありますが、ほとんど寝たきりで自力での移動が難しい状態、また自力での排泄や固形の食事を取ることが難しいケースが多くなります。

 医療的ケア児とは 
医療的ケア児(以降:医ケア児)は、人工呼吸器などの医療機器や、経管栄養やたんの吸引といった医療処置などを日常的に必要としている児童のことです。
知的な遅れは必ずしも併発するわけではなく、医療的ケアを必要としている以外は他の児童と同様に、話したり授業を聞くことができる児童もいます。

 重症心身障害医療的ケア児 
重度心身障害児の症状が進行し、経管栄養などの医療的ケアが必要になってくると「重症心身障害医療的ケア児」(以降:重心医ケア児)に該当する可能性があります。
重心医ケア児に対しては、身体介助に医療的ケアと複合的なサービスの提供が必要になります。

重心型事業所に求められるサービス

重心児の心身の健康状態や病状などを観察したうえで、個別に必要な以下のケアを行います。
その他のサービスは、一般の放課後等デイサービスと同じように活動し、リハビリやコミュニケーションを促すような療育や機能訓練を提供します。

呼吸の管理:吸引、吸入、酸素吸入、人工呼吸器など呼吸の管理
食事の管理: 経鼻経管栄養、胃ろう、腸ろう、摂食嚥下訓練、食事の介助
薬の管理:服薬の介助、軟膏の塗布など
生活介助:療養の世話、排泄ケア、入浴介助、清拭、更衣、機能訓練など

※ 医療的ケア児の受け入れにより、サービスの内容が異なります。
※ サービス提供には安全管理が伴います。

重心型の人員配置基準

重心型放課後等デイサービスについて

重心型放課後等デイサービスは、上記の人員配置を満たす必要があります。

一般の放課後等デイサービスとは異なり、重心型放課後等デイサービスには児童発達支援管理責任者や児童指導員・保育士の常勤要件はありません。

一方で看護職員は医療的ケアの実施有無に関わらず、営業時間(注1)を通じて1名以上の配置が必要です。

嘱託医は事業所内に常駐している必要はありませんが、必要に応じて医療的ケアに関する助言・指導を受けられる体制を整えておく必要があります。小児医学や心理面の助言をもらえる小児科医や精神科医と連携されるケースが多いようです。

(注1)サービス提供時間を通じて配置を要件とする自治体もありますので、ご所属の自治体にご確認ください。

重心型の基本報酬

主として重症心身障害児を通わせる事業所の基本報酬(重症心身障害児に対して支援を行う場合)は、定員による区分は3人単位刻みの3区分になります。
一般の放課後等デイサービスの時間区分による算定は行われません。

参考資料:障害福祉サービス費等の報酬算定構造

 重心型放課後等デイサービスの基本報酬 
主として重症心身障害児を通わせる事業所
(利用者1名あたりの単位数/日)

定員 授業後 休業日
利用定員が5人以上7人以下 1,771 2,056
利用定員が8人以上10人以下 1,118 1,299
利用定員11人以上 692 817


このため基本報酬は、例えば定員5人の場合:2131✕5=10,655単位、定員6人の場合:2131✕6=12,786単位、定員7人の場合:2131✕7=14,917単位になります。

重心型放課後等デイサービスでは医療的ケア児や一般的な障害児の受け入れも可能です。受け入れた児童分については、一般の事業所の基本報酬(注2)が適用されます。

(注2)医療的ケア児に係る基本報酬、看護職員加配加算、医療連携体制加算はいずれも医療的ケア児を対象とした報酬となっており、医療的ケアの基本スコア(点数)により加算の取得が異なります。医療的ケア区分は受給者証に記載されています。

 重心型児童発達支援の基本報酬 
主として重症心身障害児を通わせる事業所(児童発達支援センター以外)
(利用者1名あたりの単位数/日)

定員 単位数
利用定員が5人以上7人以下 2,131
利用定員が8人以上10人以下 1,347
利用定員11人以上 850


このため基本報酬は、例えば定員5人の場合:2131✕5=10,655単位、定員6人の場合:2131✕6=12,786単位、定員7人の場合:2131✕7=14,917単位になります。

 延長支援加算 
基本報酬に加えて、時間を延長して支援した場合に算定できる加算です。

【重心型放課後等デイサービス・児童発達支援の延長支援加算の単位数】
(単位数/日)

時間 単位数
1時間未満(注3) 128
1時間以上2時間未満 192
2時間以上 256


(注3)重心型には時間区分が導入されていないため、従来通りに「1時間未満」となります。上記(注2)にて一般の基本報酬が適用された児童に対しては延長支援加算も同様に算定しますが、医療的ケア児についての延長支援加算の単位数は以下のとおりです。

【重心型放課後等デイサービスで一般の基本報酬を算定する場合の単位数】
(単位数/日)

時間 単位数
  障害児  医療的ケア児
30分以上1時間未満 61 128
1時間以上2時間未満 92 192
2時間以上 123 256

 

 参考:一般の基本報酬 

【放課後等デイサービス】
(定員10名以下、利用者1名あたりの単位数)

医療的ケア区分 時間区分1 時間区分2 時間区分3
区分3(スコア32点以上) 2,591 2,627 2,683
区分2(スコア16点以上) 1,583 1,618 1,674
区分1(スコア3点以上) 1,247 1,282 1,339
一般 574 609 666


【児童発達支援】(児童発達支援センター以外)
(定員10名以下、主に未就学児の利用者1名あたりの単位数)

医療的ケア区分 時間区分1 時間区分2 時間区分3
区分3(スコア32点以上) 2,933 2,959 3,012
区分2(スコア16点以上) 1,917 1,943 1,996
区分1(スコア3点以上) 1,579 1,605 1,658
一般 901 928 980


※ 令和6年度の報酬改定により時間区分が創設されました。しかし、主として重症心身障害児を通わせる事業所、共生型、基準該当の基本報酬については、時間区分は導入されていません。

重心型で取得できる主な加算

重心型で取得することができる主な加算を紹介します。

・児童指導員等加配加算
・専門的支援体制加算
・専門的支援実施加算
・看護職員加配加算
・医療連携体制加算
・送迎加算
・入浴支援加算
・延長支援加算(基本報酬をご覧ください。)

いずれの加算も取得には届出が必要です。加算の取得をお考えの場合、期限までに変更届を提出します。

※本記事は、主として重症心身障害児を通わせる重心型が加算を取得する場合について説明しています。除外するケースは掲載していません。

各加算について、詳しく説明します。

 児童指導員等加配加算 
人員基準で定められた人数に加えて、児童指導員等(注4)またはその他の従業者を1名以上配置(常勤専従または常勤換算)した場合に算定できる加算です。

(注4)児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、手話通訳士、手話通訳者、特別支援学校免許取得者、心理担当職員(心理学修了等)、視覚障害児支援担当職員(研修修了等)、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者であり、勘案する経験年数は、児童福祉事業(幼稚園、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導での教育を含む)に従事した経験年数になります。

【重心型の放課後等デイサービス・児童発達支援の児童指導員等加配加算の単位数】

(単位数/日:授業後、休業日ともに同じ)       

定員 常勤専従
経験5年以上
常勤専従
経験5未満
常勤換算
経験5年以上
常勤換算
経験5年未満
その他の
従業者
5人 374 305 247 214 180
6人 312 253 206 178 150
7人 267 216 176 153 129
8人 234 188 154 134 113
9人 208 167 137 119 100
10人 187 149 123 107 90
11人以上 125 98 82 71 60

 

 専門的支援体制加算 
人員基準で定められた人数に加えて、専門的に個別的な支援を行う専門職(注5)を配置した場合に算定できる加算です。

(注5)専門職員として理学療法士等(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士(※)、児童指導員(※)、心理担当職員(心理学修了等)又は視覚障害児支援担当職員(研修修了等))になります。
※ 保育士、児童指導員員は資格取得・任用から5年以上児童福祉事業に従事したものに限なります。

【重心型の放課後等デイサービス・児童発達支援の専門的支援体制加算の単位数】
(単位数/日:授業後、休業日ともに同じ)

定員 単位数
5人 247
6人 206
7人 176
8人 154
9人 137
10人 123
11人以上 82


 専門的支援実施加算 
専門的支援体制加算の対象となる専門職(注5)が「専門的支援実施計画」を作成し、当該計画に基づき個別・集中的な専門的支援を計画的に行うことで月4回を限度に算定ができます。
・150単位/回

 看護職員加配加算 
重心型事業所(放課後等デイサービス・児童発達支援)は医療的ケア児の利用の有無に関わらず、看護職員を必ず配置しなければなりません。その人数に加えて、看護職員を配置した場合に算定できる加算です。
医療的ケア児に対する基本報酬の区分により算定要件が異なります。

【看護職員加配加算(I)の要件と単位数】
利用する重心医ケア児の医療的ケアスコアが合計40点以上で、2人目以降の看護職員を常勤換算で1以上を配置したとき。
(単位数/日:授業後、休業日ともに同じ)

定員 単位数
5人 400
6人 333
7人 286
8人 250
9人 222
10人 200
11人 133


【看護職員加配加算(II)の要件と単位数】
利用する重心医ケア児の医療的ケアスコアが合計72点以上で、2人目以降の看護職員を常勤換算で2以上を配置したとき。
(単位数/日:授業後、休業日ともに同じ)

定員 単位数
5人 800
6人 666
7人 572
8人 500
9人 444
10人 400
11人 266


※医療的ケアについては、上記の参考資料「医療的ケアを必要とする障害児への支援に係る報酬の取扱いについて」をご覧ください。

 医療連携体制加算 
医療機関や訪問看護ステーションから看護師が訪問し、利用時に看護を提供した場合に算定できる加算です。
医療連携体制加算を算定するには、医療的ケア区分が適用されます。重心型の基本報酬を算定するか、それとも一般型の基本報酬を算定した上で医療連携体制加算を取得するかは事業所の判断になります。

※ 医療的ケアについては、上記の参考資料「医療的ケアを必要とする障害児への支援に係る報酬の取扱いについて」をご覧ください。

【医療連携体制加算の単位数】
(単位数/日)

対象人数 医ケア 1人 2人 3~8人
医療連携体制加算(I) 32
医療連携体制加算(II) 63
医療連携体制加算(III) 125
医療連携体制加算(IV) 800 500 400
医療連携体制加算(V) 1,600 960 800
医療連携体制加算(VII)(注6) 250


(注6) 医療的ケア区分による基本報酬を算定している場合や、医療連携体制加算(I)~(V)を加算している場合、看護職員加配加算を算定している場合は、算定できません。

 送迎加算 
学校または利用者宅と事業所間を送迎した場合に算定される加算です。
送迎加算の要件として運転手に加えて添乗者を配置した場合に加算できます。

医療的ケア児(スコア16点以上) 80単位/片道
重症心身障害児または医療的ケア児(スコア16点未満) 40単位/片道
上記重症心身障害児を除く障害児の場合 54単位/片道


医療的ケア児に対する送迎を行う場合は、喀痰吸引等を行うことができる職員(看護職員)の付き添いが必要です。

 入浴支援加算 
発達支援とあわせて入浴支援を行った場合に算定される加算です。

児童発達支援 55単位/回(月8回を限度)
放課後等デイサービス 70単位/回(月8回を限度)


家庭における入浴の状況などを把握し、これらを踏まえて個別支援計画に位置付けた上で支援を実施します。

重心型の設備基準

重心型放課後等デイサービスについて

重心型放課後等デイサービスの設備基準は、法律(児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準)で定められています。

ただし、実際には自治体ごとに独自の基準を設けている場合が少なくありません。
例えば、東京都の場合、指導訓練室は「利用児童1人あたり4㎡以上、死角がない空間にする」とあります。
事業所の開設計画を立てる前に、必ず自治体(指定権者)へ設備基準の詳細をご確認ください。

 重心型ならではの配慮 

独自ルールが存在していなくても、配慮する点はいくつかあります。
例えば、静養室は排せつ介助や医療的ケアを実施する際、プライバシーの配慮が必要なことからできる限り設置することをおすすめします。

大型の車椅子(バギー)での移動に支障が生じないよう、廊下や出入口の幅を広めに確保しておきます。

複数の重心児が交流しやすいようにベッドの配置を工夫したり、柵付きのベビーベッドを使用して転倒を防ぎます。
また、ベッド周囲や壁面にクッションを置いたり、クッション材を設置して転倒による打撲などケガを防ぐ配慮が必要でしょう。

まとめ

重心型の放課後等デイサービス事業所は年々増えてはいますが、受け入れ体制はまだ追いついていません。

重心型事業所の運営は難しい厳しいと思われていますが、定員5名で運営をすれば最小限の人数で高い専門性を発揮できます。

さいごに

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