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大規模センターが挑んだICT化と療育の質の向上【町田市子ども発達センター様】

事例インタビュー

2026/10/27

大規模センターが挑んだICT化と療育の質の向上【町田市子ども発達センター様】

東京都町田市にある町田市子ども発達センター様にお話を伺いました。

町田市子ども発達センター(以降:センター)様は、職員全体で約80名が在籍する非常に規模の大きな公立の発達支援施設です。
 
センターで児童発達支援管理責任者および訪問支援員として、日々現場の最前線に立ち、施設のICT化を牽引された石川様にお話を聞くことができました。

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大規模センターの概要と現場の第一線で担う役割

インタビュアー(以下:イ)まずは石川様がセンターで担われている役割や、日々の業務内容について教えてください。

石川様:以降石川)私は現在、児童発達支援の児童発達支援管理責任者(以降:児発管)と、保育所等訪問の訪問支援員を兼務しています。

直近でも27件のケース(児童)を担当しており、月の半分程度は地域の保育園や幼稚園、学童保育クラブなどへ訪問支援に赴いています。

また、現場の人手が不足している際や専門的な判断が必要な場面では、療育の現場に入って直接指導を行うこともあり、児発管の業務を行いながら訪問支援の第一線に立っている状態です。

イ)非常に多忙なスケジュールの中で現場を統括されているのですね。センターの規模や定員についても教えてください。

石川)センターは非常に規模が大きく、総勢で約80名の職員が在籍しています。

そのうち、私たちが所属する児童発達支援・訪問支援部門の係だけで46名です。その他に、相談支援を行う係や、受給者証の発行を担当する係、管理職などが一つの建物内で動いています。

児童発達支援の日々の通園定員は40名ですが、通園スタイルによって以下の2つのクラスに分かれています。

・週5日通園クラス(センターを主たる所属機関とするお子様): 定員40名(毎日通園) ・週1日通園クラス(幼稚園や保育園等に通いながら、週1回4時間の併行通園をするお子様): 定員35名

この規模を、私を含めた2名の児発管で分担して管理しています。

公立のセンターならではのクラス編成と利用プロセス

イ)これほど大規模だと、日々のクラス運営や編成にも独自の工夫がありそうですね。

石川)そうですね。例えば毎日通う40名のクラスは、さらに5つのグループに細かく分けて運営しています。

そのうち1つのグループは医療的ケア児と身体障がい児など運動発達の遅れなどがあるクラス、残りの4つのグループが発達支援のクラスという構成です。

クラスは原則として1年間メンバーを固定する「担任制」で、1クラスあたり4名程度の職員を固定配置して、幼稚園や保育園に近い形で手厚く支援しています。

毎年2月頃になると、来年度に向けて新しく入ってくるお子さんの見立てを行い、日々の様子を知る現場の担任たちも交えて「この子とこの子なら良い組み合わせになるか」「どのような課題があるか」を想定しながら、じっくりと時間をかけてクラス編成を行っています。

イ)日々の療育内容や、公立ならではのシステムについても教えてください。

石川)私たちの療育の基本方針は、「遊びと生活の中で療育を進めていくこと」です。これは週5日通園でも週1日通園でも変わりません。

具体的なプログラムとしては、TEACCH(ティーチ)プログラム(注1)をベースとしています。

センターの建物の大きさを活かし、感触遊びを取り入れた時間を作ったり、外遊びを楽しんだり、部屋の中に固定式のアスレチックを設置した遊び場やボールプールを用意したりと、様々な用途で使える専用の部屋が揃っています。

この環境を活用しながら、子どもたちの「動」と「静」のバランス、そして場面の切り替えをスムーズに行えるように日々のプログラムを組み立てています。

民間と大きく異なるのは入園のシステムになります 。  民間の事業所様だと、定員に空きがあれば随時ヒアリングをして契約を結ぶ形が多いかと思いますが、当センターは地域の保育園などと同じように年1回の「次年度の募集時期・契約時期」が原則として決まっています。

そこから漏れてしまった方や年度途中で希望される方は、空きが出るまで「待機」になってしまいます。

(注1)ノースカロライナ大学TEACCH®自閉症プログラムによって創設された、自閉症スペクトラム障がい(ASD)の人々やその家族に対する教育的および支援的なアプローチを提供するために開発された療育プログラム。

長期スパンで子どもを追う訪問支援

イ)「保育所等訪問支援」について教えてください。どのようなお子様が対象で、どのようなニーズが多いのでしょうか?

石川)対象は、保育園、幼稚園、認定こども園、あるいは学童保育クラブ等を利用されている未就学から就学後までのお子様です。学校への訪問は行っていませんが、学童への訪問は実施しています。

実態としては、2歳児から小学校2・3年生くらいまでの利用が多くを占めています。

利用にいたる経緯としては、在籍されている園から「集団の中でうまく行動できず、手がかかっている」と訪問支援を求められるケース、ご家庭でも困り事があり、集団生活の場での様子を専門的に見てほしいという保護者様のニーズ。いわゆる「相談機能」を求められるケースが大半です。

しかし、訪問支援は個人契約となるため、園からの要望であっても最終的には保護者様ご自身が行動して受給者証を取得し、当センターと契約を結んでいただく必要があります。

 

イ)実際の訪問頻度や、支援の流れはどのようになっていますか?

石川)1回あたりの滞在時間は1時間から1時間半程度です。お子様の様子を観察したり、直接支援を行ったりした後に、園の先生方と振り返りを行います。

その場での対話が難しい場合は、センターに戻ってから電話やオンラインでフィードバックをお伝えしています。

訪問頻度は、一般的な「月2回」という枠組みではなく、当センターでは独自に「年に1〜3回(各学期に1回程度)」という長期的なスパンで運用しています。

イ)各学期に1回というのは、比較的ゆったりとした頻度ですね。どのような意図があるのでしょうか?

石川)私たちが園の先生方にアドバイスさせていただいた内容が、現場で実践され、お子様に効果として現れるまでには、2週間や1ヶ月といった短いスパンでは難しいと考えているからです。

長い目で経過を追いかける方が、園の先生方が「実践してみてどうだったか」「次はどうしていくべきか」というプロセスを確実に踏むことができます。

そのため、環境の変化が大きい1学期の5〜7月、行事に向けて取り組む2学期の9〜11月、進級を見据える3学期の1〜2月といった、明確なピークに合わせて定期的に訪問し、保護者様や園との連携を深めていく形をとっています。

私たちの訪問支援は単なる直接支援だけではなく、園の先生方との関係性を築きながら福祉的な観点からコンサルテーションを行う「間接支援」としての要素が半分を占めていると感じています。

アナログな業務環境に感じた危機感とICT導入の決意

イ)石川様ご自身のご経歴と、なぜ率先してICT化を進めようと思われたのでしょうか?きっかけを教えてください。

石川)私はもともと公立保育園の保育士として働いており、2023年度にこのセンターへ異動してきました。異動当初は週5日通園クラスを担任していました。

保育園から今の現場へ移った際、子どもへの関わり方や専門性については、保育園時代に加配クラス(注2)を担当していたこともあり、大きな違和感はありませんでしたが、一番ギャップを感じたのは、「業務のアナログさ」でした。

当時、保育業界ではすでにICT化が当たり前に進んでいたのですが、福祉現場、特に公立の施設ではまだまだ紙やハンコでの管理が主流でした。

「このままでは職員の負担が大きすぎる。絶対にICTを導入した方が職員のため、巡り巡って子どもたちのためにもなる」

と強く確信し、センターに移って間もない2023年度から、ICT化に向けた発案や予算取りのために動き始めました。

(注2)保育園や幼稚園において、障がいや発達の遅れがある子ども、集団生活での困りがある子どもに対して通常の職員数に加えて保育士や先生を追加で配置し、生活面や集団参加をサポートする制度。

圧倒的な導入実績と「児童発達支援に特化」がHUGの決め手

イ)数あるシステムの中から、最終的にHUGを選ばれた理由は何だったのでしょうか。

石川)理由は大きく3つあります。まず、児童発達支援に特化しており、確実な「導入実績」があること。

アナログな現場にデジタルを導入する際、職員の心理的ハードルを下げるには「多くの施設で使われている」という実績が不可欠でした。

2つ目は、月末月初の「実績記録」の業務が確実に楽になること。

センター用に独自に高額なカスタマイズを施す必要があるシステムを導入するよりも、既存のパッケージでありながら、我々が一番課題に感じていた請求周りの効率化が確実にできるものを求めていました。

そして3つ目が、「費用対効果」です。組織の性質上、「すでに保育園側で別のICTシステムを使っているなら、それを使えばいいのではないか」という意見が出ます。

しかし、保育園用システムと福祉現場用システムでは、求められる機能(特に国保連への請求機能など)が全く異なります。

HUGは、福祉特有の専門機能を網羅していながら、一般的な保育園用システムと同等の機能を月額料金で導入できるという明確な強みがありました。

それらの条件を照らし合わせた結果、HUGの導入を決めました。

国保連請求業務が「4分の1」に。導入がもたらした劇的な効果

イ)HUGを導入されてから、どのような効果を実感されていますか?

石川)国保連請求の業務が格段に楽になりました。 もし今、HUGがなくなって昔のアナログなやり方に戻ると言われたら、職員全員が絶望すると思います(笑)。

それほど圧倒的な効果が出ています。以前は請求担当者が児童発達支援・訪問支援あわせて毎月100人程度の利用者の実費徴収を含む対応に二十数時間作業をしていたのですが、導入後は、すべての作業をひっくるめても約4分の1にまで削減されました。

イ)具体的にどの部分の負担が減ったのでしょうか?

当センターの場合、規模が大きい分、付随する計算が非常に複雑でした。 例えば訪問支援であれば、無償化対象外の児童の実費負担分の請求書を個別に作成する必要があります。

また、週5日通園の場合は給食を提供しているため、日々の実績記録を基に給食費を算出し、それも合算して請求を出さなければなりません。これまではすべて手作業による付加業務だったため、膨大な時間がかかっていました。

HUGを導入してからは、各クラスの担任が日々確実に実績記録を入力し、保護者様から電子サインをいただく運用に変わりました。

私の方でも入力を間違えないための明確なルールとマニュアルを作り、全員が同じレベルで日々入力できるようにしたことで、月末に起きていた「入力ミスの修正作業」が激減しました。

チェックする側としても、以前のように紙の実績記録をすべて回収して、担任と突き合わせる必要がなくなり、画面上でいつでも好きなタイミングで確認できるようになりました。

人とのやり取りや確認の手間が格段に減り、本来の事務作業に専念できるようになったのです。

さらに、以前は実績記録をすべてPDF化して保存する作業も手作業で行っていましたが、それらも一括で電子管理できるようになったため、明らかに作業時間が短縮されました。

導入時の周知は、契約のタイミングをフル活用

イ)請求業務以外でのメリットはいかがですか?

石川)紙の配布物が一気に減ったことも大きなメリットです。 毎月のお便りや献立表、随時発行されるお手紙などの配布物を、すべてHUGの配信に切り替えられたことです。

これまでは、決裁がおりてから印刷し、折って、判子を押し、クリアケースに入れるという一連の作業がありましたが、これがほぼゼロになりました。紙の使用枚数も大幅に削減されています。

また、昨年度からは活動写真の配信も開始しました。  保護者様からも「連絡帳の文字だけでは分からなかったセンターでの雰囲気が、タイムリーに写真で確認できてとても安心する」と大変好評をいただいています。

イ)保護者様へのシステム導入の周知や移行期の対応はスムーズに行えましたか?

石川)保護者様への周知は、2月に行う契約説明会のタイミングをフルに活用しました。

それぞれのIDとパスワードを記載した書面をあらかじめ封筒に入れてお渡しし、「その場で今すぐログインしてください」とお願いしたのです。

新年度が始まる前の最初の段階で、「当センターは、実績記録も計画書も、すべてHUGというシステムで運用する」という意識付けを最初に徹底しました。

訪問支援の契約時も、その場で登録とログインまでを確認し、「2週間以内にテストメールを送るので必ず見てくださいね」とお伝えしています。

最初にしっかりと意識付けを行ったことが、結果としてトラブルのないスムーズな移行につながったと感じています。現在では約40名の職員がHUGを活用し、日々の業務や保護者様への発信に利用しています。

療育の質向上と一歩踏み込んだ保護者支援への展望

イ)業務効率化を実現された今、センターとして今後はどのような点に力を入れていきたいと考えていらっしゃいますか?

石川)当センターが最も力を入れているのは、原点に戻っての「療育の質の向上」です。 事務作業の負担が減った分、本来の目的であるお子様へのアプローチに時間を充てることができるようになりました。

当センターには多くの専門職が在籍していますので、クラス運営や日々の関わり方、環境の構造化について、専門職と現場の担任がより密接に連携し合える体制をさらに強化していきます。

もう一つは、「保護者研修のさらなる充実」です。  保護者様の意識やご家庭での関わり方が変わることで、お子様自身も大きく変わっていきます。

そのため、外部から専門の医師をお招きした発達全般に関する講義だけでなく、センター内の資源を活かした「内部講師による研修」を積極的に増やしています。

例えば、  言語聴覚士(ST)による「食事の食べ方やアプローチについて」  心理士による「特性に合わせた環境の構造化について」  作業療法士(OT)による「手先の操作性を高める遊びについて」などです。

療育の場だけでなく、普段のご家庭での生活に直結するような具体的なテーマを織り交ぜています。

単にお子様をお預かりして直接支援を行うだけでなく、保護者様へのアプローチも含めて「多角的に学べる場」を提供しています。

これこそが、私たちが目指す一歩踏み込んだ支援の形であり、今後も変わらず注力していきたい課題ですね。

イ)業務改善によって生まれた時間を、療育の質の担保と保護者支援の深化に還元されている素晴らしい事例だと感じました。今後とも、HUGがその一翼を担えるようサポート体制の強化やシステム改修に努めてまいります。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

さいごに

弊社が提供している「HUG」は放課後等デイサービス運営会社が開発したソフトウェアです。

請求業務はもちろん、個別支援計画やサービス提供記録の作成から管理も簡単に行えます。
実際にHUGをご利用いただいている放課後等デイサービス事業者様の感想をご紹介していますので、請求ソフトや管理システムの導入を検討されている方はご参考くださいませ。

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