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【令和6年報酬改定】放課後等デイサービスの通所自立支援加算と自立サポート加算について

2024/05/21

行政書士小澤先生の放デイコラム

【令和6年報酬改定】放課後等デイサービスの通所自立支援加算と自立サポート加算について

みなさんこんにちは!
はぐめいとでは放課後等デイサービスや児童発達支援を運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!

今回は、令和6年(2024年)法改正・報酬改定に関する最新情報です。
放デイラボのYouTubeチャンネルの中で『【法改正】放課後等デイサービスの通所自立支援加算と自立サポート加算と個別サポート加算IIIのQ&Aについて(令和6年法改正)』として、介護業界を支える行政書士 小澤信朗先生にわかりやすく解説いただきましたので、その中から新しく創設された通所自立支援加算と自立サポート加算についてご紹介します。

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令和6年(2024年)法改正・報酬改定に関する情報

放課後等デイサービスにおいて、新しく創設された通所自立支援加算自立サポート加算の要件など、不明な点が多いことと思います。

そこで、通所自立支援加算と自立サポート加算についてまとめてご紹介します。

参考資料:
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A(令和6年3月29日)の送付について
こども家庭庁支援局障害児支援課 事務連絡
令和6年3月29日

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
厚生労働省障害福祉課
令和6年2月6日

令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要
こども家庭庁支援局障害児支援課
令和6年4月1日

放課後等デイサービスの通所自立支援加算の新設

障がいがある子どもの自立に向けた支援の充実を目的とした「通所自立支援加算」が新設されました。

こどもの自立に向けた支援を促進する観点から、こどもの状態等も踏まえながら、通所や帰宅の機会を利用して自立に向けた支援を計画的に行った場合の評価を行う。


→指定放課後等デイサービス事業所において、障がいのある子どもに対して学校・居宅等と事業所間の移動を自立した通所が可能となるよう、職員が付き添って計画的に支援するもの

 【新設】 
通所自立支援加算 60単位/回(算定開始から3月を限度)
※ 学校・居宅等と事業所間の移動について、自立して通所が可能となるよう、職員が付き添って計画的に支援を行った場合


【ポイント】

〇 本加算は、指定放課後等デイサービス事業所において、障害児に対して、学校・居宅等と事業所間の移動について、自立して通所が可能となるよう、職員が付き添って計画的に支援を行った場合に算定するもの

【主な要件】
・児童が公共交通機関等又は徒歩により放課後等デイサービスに通う際に、放課後等デイサービスの従業者が同行し、自立しての通所に必要な知識等(※)を習得するための助言・援助等の支援を行うこと
(※)移動経路、公共交通機関の利用方法、乗車中のマナー、緊急時の対応方法等

・あらかじめ児童及び保護者の意向を確認し、保護者の同意を得た上で、支援の実施及び個別に配慮すべき事項その他の支援を安全かつ円滑に実施する上で必要となる事項について、個別支援計画に位置付けること

・児童の安全な通所のために必要な体制を確保した上で支援を行うこと
児童一人につき職員一人が個別的に支援を行うことを基本とするが、児童の状態に応じて安全かつ円滑な支援が確保される場合には、職員一人が児童二人に支援を行うことも可能とする

・通所に係る支援の安全確保のための取組に関する事項について、安全計画に位置付け、職員に周知を図るとともに、研修等を行うこと

・加算対象児ごとの支援記録を作成すること

〇 重症心身障害児は対象とならない。また、同一敷地内の移動や、極めて近距離の移動などは対象とならない

〇 算定開始から3月(90日)の間に行った通所に係る支援に限り、算定が可能。進学・進級、転居等の環境の変化により、改めて自立した通所につなげるために支援が必要と判断される場合には、改めて算定することが可能 


留意事項については、Q&Aより紹介します。

放課後等デイサービスの通所自立支援加算の留意事項

「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日) 」より、通所自立支援加算の詳細をご紹介します。

 問44 
極めて近距離の通所は対象外とされているが、対象外となる場合の具体的な基準はあるか。例えば徒5分程度の距離の場合や、目視できる近距離ではあるが横断歩道をわたるなど支援の場面がある場合などはどうか。
また、居宅や学校から事業所への道のり全てにおいて支援を要するのか。
例えば、学校から学校の送迎バスで近所のバス停まで送迎され、当該バス停から事業所まで通所自立支援を行った場合、算定可能か。
 


(答え)
〇 同一敷地内での通所はもとより、学校の目の前に事業所がある場合や、徒歩数分の距離の通所などについては、その間に横断歩道などの場面があるとしても、加算により評価する通所自立支援に当たるとは考えられず、本加算は算定できない。

〇 また、居宅や学校から事業所への道のりの途中までを別途の手段で移動し、途中の地点から事業所に移動する場合、それが日々変わるものでなく固定された通所経路である場合には、当該地点からの通所自立支援をもって本加算を算定し得る。ただし、この場合においても、極めて近距離の通所は対象外であることに留意すること。

 →バス停から事業所までなど、交通手段を利用した場合を想定

 問45 
職員が付き添う場合、当該職員の乗車料金等を保護者から実費で徴収することは可能か。


(答え)
〇 職員の乗車料金等について、保護者から徴収することはできない。なお、障害児本人の乗車料金については、利用者側が準備して利用者側が負担の上、支援に当たること。

 問46 
徒歩又は公共交通機関以外の通所手段、例えば自転車で通所する場合にも本加算の算定は可能か。


(答え)
〇 可能である。通所手段については、障害児の状態や特性、通所経路、地域の交通事情等に応じて、徒歩又は公共交通機関以外の選択肢もあると想定される。ただし、通所手段も含め、安全性を確保した支援とする必要があることに留意すること。

〇 なお、本加算は自立した通所に向けた支援への評価であり、例えば、自転車の後部座席に乗せて送迎する場合など、支援の要素が乏しく送迎の要素の強い形態による場合には算定されない。 

 →あくまでも自立に向けた支援であることを個別支援計画書に明記できる根拠があれば自転車であっても構いません。

 問47 
通所自立支援を行う場合に従業者が付き添うことを必要としているが、指定基準により置くべき従業者に限るのか。また従業者の資格要件等の定めはあるか。


(答え)
〇 当該加算は学校・居宅等と事業所間の移動について、安全な通所を確保する観点から十分なアセスメントを行い、障害児の状態や特性を踏まえて自立して通所が可能となるよう計画的に通所自立支援を放課後等デイサービスの従業者が行った場合に算定するものである。

〇 通所自立支援に当たる従業者は、指定基準により置くべき従業者に限ることを求めるものではないが、当該加算の主旨を踏まえて、適切に通所自立支援を実施できる従業者を配置いただきたい。 

放課後等デイサービスの自立サポート加算の新設

社会に出る前の準備を目的とした「自立サポート加算」が新設されました。

こどもの自立を見据えた支援を促進する観点から、高校生について、学校や地域との連携の下、学校卒業後の生活を見据えた支援を行った場合の評価を行う。 


→指定放課後等デイサービス事業所において、障がい児の高校等の卒業前の子どもに対して学校や地域との連携の下、学校卒業後の生活を見据えた支援

 【新設】 
自立サポート加算 100単位/回(月2回を限度)
※ 高校生(2年生・3年生に限る)について、学校卒業後の生活に向けて、学校や地域の企業等と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合


【ポイント】

〇 本加算は、こどもの自立を見据えた支援を促進する観点から、進路を選択する時期である就学児に対して、学校卒業後の生活を見据えて、学校等と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合に算定するもの

【対象となる児】進路を選択する時期にある就学児(高校2年生・3年生を基本とする)

【主な要件】
・児童の個別支援計画及び学校での取組内容を踏まえ、当該児が希望する進路を円滑に選択できるよう支援するための自立サポート計画を作成すること
・自立サポート計画に基づき、児童の適性・障害の特性に対する自己理解の促進に向けた相談援助や、必要となる知識技能の習得支援など、児童が希望する進路を選択する上で必要となる支援を行うこと。その際、必要に応じて地域の商工会や企業等と連携すること
なお、これらの支援に当たっては、基本とされる総合的な支援の提供を確保した上で進めること

【想定される取組】
自己理解の促進に向けた相談援助:適正や障害特性の理解、現在や将来の課題などについて客観的な評価を交えた相談援助の実施 等
進路の選択に資する情報提供や体験機会の提供:働く意義や職種・業種の情報提供、事業所での作業体験、企業等での職業体験、就労・進学等を経験している障害者による経験に基づく相談援助・講話等のピアの取組 等
必要な知識・技能を習得するための支援:生活や職場での基本的マナー、進路に必要な具体的な知識技能の習得支援
・計画に基づく支援の実施状況の把握を行うとともに、課題を把握し、必要に応じて計画の見直しを行うこと
・計画の作成・見直しに当たって、当該児童・保護者に説明するとともに、同意を得ること
・児童が在籍する学校との日常的な連携体制を確保し、自立サポート計画の作成・見直し、支援の実施において必要な連携を図ること
(なお、連携における会議等の実施について、関係機関連携加算(I)又は(II)の算定を可能とする)
・対象児ごとの支援に関する記録を行うこと 


留意事項については、Q&Aより紹介します。

放課後等デイサービスの自立サポート加算の留意事項

「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日) 」より、自立サポート加算の詳細をご紹介します。

 問48 
本加算の対象となる進路を選択する時期にある児童について、高校2年生・3年生を基本とするとされているが、例えば同様に進路を選択する時期であり、学校卒業後の生活を見据えた支援が必要な、中学校卒業後に進学しない児童や、高校を中退する予定の児童も対象となり得るか。


(答え)
〇 なり得る。この場合、卒業、中退などが予定される日から遡って1年間の期間を支援の対象期間とする(例えば中学校卒業後に進学しない児童の場合、中学3年生の期間を対象とする)。

まとめ

通所自立支援加算は、児童発達支援や重症心身障害児は対象になりませんが、サービスの質の向上を図る上で是非ご検討いただきたい加算です。

通所自立支援加算
放課後等デイサービスで、進学・進級・転居等の環境変化に弱い障がい児に対し、期間限定で自立をサポートします。

自立サポート加算
放課後等デイサービス
で、社会に出るまえの障がい児が適正や障害特性の理解、現在や将来の課題などについて客観的な評価を交えた相談援助を受け、職業体験などを通して、具体的な就職準備活動により自立をサポートする取り組みです。

個別支援計画書を踏まえた上での自立サポート計画を作成して支援し、関係機関連携加算(I)または(II)も活用しながら関係機関との連携を図ります。

いずれの加算も個別支援計画書に明記して、保護者の同意を得て計画的に実施しなければなりませんが、放課後等デイサービスで中学生・高校生向けのサービスを提供している事業所ではサービスの質の向上につながるため、積極的に取得していきたい加算です。

通所自立支援加算自立サポート加算の取り扱いについて、今後も注意しておくことが施設運営でとても重要と言えるでしょう。

さいごに

弊社が提供している「HUG」は、選ぶだけの簡単な操作で最適に人員配置された出勤表を作成できます。
また、減算対象や基準を満たしていない場合は警告を表示。加算要件も自動でチェックするので取得可能な加算情報もひと目で分かります。

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お気軽にお問い合わせください。
052-265-8915
受付時間:9:00~18:00(土日休み)

小澤信朗先生のご紹介

利用者負担上限額管理をする必要が初めて出てきた場合の対応

1977年東京生まれ。東京都中野区で活動する行政書士。
山形大学人文学部4年の時に、知的障害児のための学童保育でボランティアを始めたことをきっかけに、 障害福祉サービスに関するサポート業務をおこなうことが自分のライフワークとなる。

山形大学人文学部を卒業後、介護保険対応総合システムのサポートを経て、 2010年9月に行政書士として独立。
放課後等デイサービスは、東京都の他、青森県や岩手県、宮城県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、茨城県、神奈川県、静岡県、愛知県、長野県、三重県、岐阜県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、沖縄県などからも依頼をうけ、開設や運営のコンサルティングや申請代理業務を手掛けている。また開業後、リコージャパン株式会社、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会、パナソニックエイジフリーケアセンター香里園、NDソフトウェア株式会社、新興サービス株式会社、多摩信用金庫、株式会社細田工務店、株式会社エス・エム・エス、株式会社いきいきらいふ、連合福井、杉並区地域包括支援センターケア24西荻、府中市地域包括支援センター安立園など上場企業や地域包括支援センター主催のセミナーで講師として活動するなど幅広い活動をおこなっている行政書士である。

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