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【中編】保護者様からは感謝の言葉、スタッフからは提案が。問題を乗り越え、予約待ちが続く施設に【株式会社みらいず様】

2019/07/29

放課後等デイサービス事例インタビュー

【中編】保護者様からは感謝の言葉、スタッフからは提案が。問題を乗り越え、予約待ちが続く施設に【株式会社みらいず様】

兵庫県の神戸市と兵庫区で施設運営をされている株式会社みらいず様にお話しを伺いました。
今年の4月に新しい施設がオープンしばかり。お忙しい中、遊屋社長から放課後等デイサービスをやることになったきっかけやスッタフ、保護者様への想いや今後の展望まで貴重なお話をお伺いすることができました!

>>【前編】開業のきっかけは同じ想いを持った保護者様の助けになりたいという強い気持ちから【株式会社みらいず様】

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何も知らない状態からのスタート

【中編】保護者様からは感謝の言葉、スタッフからは提案が。問題を乗り越え、予約待ちが続く施設に【株式会社みらいず様】

イ)もともと放課後等デイサービスや児童発達支援というものはご存じだったんでしょうか?

遊屋)知っていましたが、それがどういう場所か、何を行っているかなどは知りませんでした。
病院等で診断された子どもを受け入れてくれる、ただ預かってもらえる施設という認識でした。

イ)では、始める時は具体的にどいう場所かというイメージはついていなかったということですか?

遊屋)ついていなかったです。
言葉だけ知っていただけですね。
知るようになったきっかけはココトモさんです。
児童デイのような施設があることは知っていて、それをやりたいなと思っていて。
話を聞いているうちにココトモさんがやっていると聞いて、"放課後等デイサービス"が正式名称というのを知ったぐらいです。
そのぐらい何も知らない状態でした。

イ)事業を立ち上げることを決めてからはどのように進めていったんですか?

遊屋)まずはネットで調べました(笑)
考えるより聞く、見る方が早いと思いました。
ココトモにも行きましたが、他施設さんにも足を運びました。
神戸の近隣だけでも5、6か所ぐらい見学させてもらいましたね。

ただ、見ても分からなかったのは運営です。
本などを読み、どういったことを行っているのかや、障がいの特性についての知識は付いていたので、施設の目的や内容は理解を深められましたが、聞きたくてもきけないのが事業運営の部分でしたね。

開所2ヶ月後に全スタッフから辞めると言われ・・・

イ)今現在、事業を始められて3期目ですが、苦労したことはなんですか?

遊屋)事業運営が分からないまま1号店がスタートしました。
ある程度は事業計画書の中身も作り込んでスタートしたんですが、実際やってみるとそんなに複雑じゃないなという感じです。
私自身、他事業での立ち上げも経験しているのですが、請求業務などは他事業と比べてもそこまで難しくないなと。

ただし上手くは行かなかったですね。
不安だったのは経営よりも、人財育成に対してどのように関わっていけばいいのか分からなかったことです。
事業運営の中でお金の面は大丈夫だったんですが、やっぱり“人”ですね。人財育成。
自分は経営者なので、現場で自分自身が先頭に立って引っ張っていくということができないんですよね。
児発管ではないですし、資格を持っている訳ではないので。

募集したスタッフさんは他の施設で経験がある方ばかりだし、資格を持っている方やスキルのある方に絞って集めているから大丈夫だろうと思っていました。
ですが、スタッフ一人一人考え方が違うし、チームとして同じベクトルで前に進めていこうとすると口論になってしまったり…。
7月に開所し、2ヶ月後の9月にスタッフが全員辞めると言い出しました。

イ)その時はどうなったんですか?

遊屋)スタッフ間の関係がうまくいっていない面があったようなので、まず一人一人と面談をしました。
経営者として何も決断せずに現場任せにして適当なことを言ってもうまく行かない。
なので私自身が中に入って全員と面談をして状況を把握した上でどうすべきか決断しました。

イ)人員の見直しとなると、減算が発生したり、新しいスタッフが集まらない時のことを考えると、結構勇気のいる決断だったんじゃないですか?

遊屋)はい、怖かったですね。

イ)決断できたのは何か理由があったのでしょうか?

遊屋)私自身、この先こういう関係性を築いていきたいという明確なビジョンがありました。
当たり前のことですが、まず子どもたちに笑顔になってもらいたい。
一番大事なのは子どもたちだけじゃなくて保護者様にも笑顔になってもらうこと。
その為には施設自体が入った瞬間、どんよりしていたらダメだし、スタッフの笑顔が溢れる職場を目指していかないといけない。
それぞれ意識しあって「良い施設を作りたい」と心から思ってもらえるようスタッフに頑張ってもらいたい。
「自分はこれだけ頑張っているのに」とか、「自分は悪くない」だとか、お互いが争うような事業所でなら無いほうがマシだと思ったんです。

こんな状態のまま、決断せずこの先潰れてしまったら、恐らく私は凄く後悔すると思うんですよね。
下した決断によってその後、減算を食らうかもしれないし、全てが丸く収まるとも限らない。
ですが、スタッフに面談したら、入社時の気持ちだったり、仕事に対する想いを語ってくれたんですよ。
そんなスタッフさんに私は「働いて良かったな」と思ってもらえる良い職場にしたいと思いましたし、このスタッフさんたちならしてくれるだろうなと、信じるしかないなと思いました。
それでダメだったら諦めがつくなって決断できたんです。

この状態がもっと悪くなって空中分解し悪い噂だけが広まって、保護者様も子どもたちもそんな雰囲気で来ても良くないじゃないですか。
それで終わるぐらいだったら、まだそっちの選択をした方がよっぽどいいという考えになりましたね。


イ)スタッフを信じて進んでいったということですね。

遊屋)不安に思いながらの決断でしたが有難いことに、翌月すぐに新しい仲間が加わりました。
色々なところで募集をかけていたんですが全く決まらなくて…
ホームページを見て応募してくださったそうです。
ネットアーツさん有り難うございました。(笑)
その方とはビジョンもですがベクトルもとても合いますね。

たった5分でも集まるという機会を作って話をする

イ)様々な問題を乗り越えられてきて2店舗目もオープンし、将来のビジョンもあるかと思いますが、今まで運営してきた中で良かったなと実感できたことはありますか?

遊屋)一番は、ずっと予約待ちの状態が続いていることですね。
神戸市は10人以上の受け入れができないので、キャンセルや欠席を見越して
10人以上予約を受け付けておくといったことができません。
なので最終的には利用者が10人以下になってしまう場合があるのは辛いですね。
9〜9.5人ですかね、予約待ちで待ってくださっている方や、あくしす に来たいと言ってくれる子どもたちが多くなってきています。

行政から定められている年1回のアンケートとあわせて施設オリジナルのアンケートも取っているんですが、最後の感想なんかを読むとすごく嬉しくなります。
Googleのレビューにもコメントを入れてくださったり。
私は現場で直接指導、支援は行っていないのでそういう生のお声を頂けるって嬉しいですよね。
現場では普段から細かい配慮も含め大変だと思うんですが、こんなに直接的に喜んで頂けるようなお仕事ってないなって。
色々な事業に携わってきましたが経営していてもやりがいを感じます。
あとはスタッフの中から提案が出てくることですね。


イ)それは具体的にどういった提案ですか?

遊屋)今後のビジョンにも関わることなんですが、子どもたちは大きくなったらほとんどの子は地元地域で働くことになると思うんですよ。
東京に行って仕事をするぞ、みたいなことってなかなか難しいと思うんです。
なので地域で自立していけるような療育をしていきたい。地域で愛されるような子どもに育てていきたい。
地域との交流や環境づくりを地域と一緒になって、もっとオープンにして放課後デイサービスという枠を超えた子育てをしていきたい。
障害のある子どもたちの支援というよりは大きくなった時のことを考えて、地域ぐるみでサポートしていきたい、という提案がスタッフから出てくるのは嬉しいですよね。

イ)保護者様からは感謝の言葉が、スタッフからは提案が出てくるっていうのは 現場の空気感だったり社風が大切だと思います。
どういった経緯や取り組みをされて今のような社風になったのかお聞きしたいです。

遊屋)研修や朝礼などは行っていないんですが、意図的にやろうとしたことはちょっとありますね。
当然ですが申し送りとか情報共有、報連相として朝礼というかミーティングで共有するようにしています。

朝礼って大事だなって思っているんです。
創業時、毎朝立って朝礼をしていたんですが、みんな無言で…。
土台ができていないところに急に取り入れて杓子定規にこうするべきだと言っても上手くいかない。
むしろやればやるほど余計に悪くなるんですよ。
だから一番最初に決めたことは、こういったことは無しにしようと。

ただ、5分でもいいので常に何か気づいたら立ち話でもいい、休憩しながらでもいいから皆で集まって話し合って共有して欲しいとお願いしました。
形だけの朝礼や会議より、今の環境に必要なのはたった5分でも集まるという機会を一日何度も作っていきながら話をすることの方が重要だと考えました。
朝礼では全く喋らないのにそういった場をつくったらみんな急に色んなことを言うんですよね(笑)
常に児発管が「ちょっといい?相談があるんだけど」と声かけをして集まる時間を作っていく。

これはシリコンバレーのスタンフォード大学に行った時に受けたフリースクールの授業やセミナーの中でも聞いたんですが、 シリコンバレーの企業には朝礼はまずないそうです。
会議もかしこまったものではなくスタバのコーヒーを飲みながらポケットに手を突っ込んでするぐらいの気軽さで。
ミニマムなところで情報交換をしたり、意見の擦り合わせをしたりということをすごい頻度でやってるんですよ。
それを知った時、この方が効率がいいなと思ったんです。

最終的にはいい形の朝礼、本当の意味でみんなのやる気がでる朝礼とか会議まで持っていきたいんですよね。
今の事業所ではそこからのスタートかなと。
2017年11月から雰囲気を変えましたね。
それは意図的にやってよかったなと思っています。

イ)そういった場には遊屋さん自身も参加しているんですか?

遊屋)ちょくちょく参加しています。
長時間の滞在はできないですが、時間を見つけては顔を出す、用が無くても顔を出すようにしようと意識していますね。
さっき来たばかりで30分も滞在しないですぐ帰るとか。
それでもいいんです。
電話とか、そういったマメなことはしていかないといけません。

イ)お話を聞いていると風通しの良い職場に感じますね!

遊屋)だんだんとそうなっていきましたね。

複数事業所のメリット・デメリット

【中編】保護者様からは感謝の言葉、スタッフからは提案が。問題を乗り越え、予約待ちが続く施設に【株式会社みらいず様】

イ)今月5月にオープンした2店舗目の湊川教室のお話しを聞かせてください。
1店舗目の西鈴蘭台教室のスタッフさんも移動してきているんですか?

遊屋)いえ、全員新しいスタッフです。
本当は入れたほうがいいです。
というのを実際やってみて分かりました。
これも勉強ですね(笑)


イ)全く新しいスタッフだけでスタートしたということは、1店舗目と状況が同じなのかなと思いましたが、1店舗目と比べて2店舗目のスタートはどうでしたか??

遊屋)1店舗目ってやっぱり大変だったなって今振り返ると思いますね。
全くモデルがないので。
その点、2店舗目は新規メンバーでのスタートではありますが、西鈴蘭台(1店舗目)モデルが出来上がっていたので、研修に送り出すことができる分スムーズなスタートを切ることができたと思います。
あとは当然ですがヘルプで入ってもらったり、急な欠席とか人員配置で足らないという時の対応も柔軟にできますしね。
仕事の中で溜まってしまう不満も店舗が出来たことによって分散できるというのは大きいですね。

メリットもあれば一方でデメリット…というほどでもないですがありますね。
対立ではないですが西鈴は西鈴、湊川は湊川みたいな雰囲気がスタートして1ヶ月くらいで出てくるわけですよ。
その辺り、私も察知したのでとにかく両教室が関わって連絡をする機会を持たせました。
意外と教室間の連絡とかしないんですよね。
他の事業所さんも一緒だと思うんですよ。
結構、意図的に強引に連絡させてますが、関わらせると意外と会話を楽しんでいたりするんです。
だけど放置してしまうとまた連絡を取り合わなくなるんですよね。
これの繰り返し。
そんなのは分かっているので定期的に促しています(笑)
人が増えれば増えるほど悩みは尽きないですね。

(後編に続く)

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