2026/05/19
お役立ちコラム
みなさんこんにちは!
はぐめいとでは障がい福祉サービスを運営している事業者様に向けて様々な情報を発信しています!
今回は、就労継続支援B型事業所における就労移行支援体制加算について解説します。
就労継続支援(A型・B型)や自立訓練(生活訓練)などの事業所にとって、利用者の一般就労へのステップアップを支えることは非常に重要な役割の一つです。
利用者が一般企業に就職し、その後も元気に働き続けられるようサポートした実績を評価する仕組みが、今回解説する「就労移行支援体制加算」になります。
この加算は事業所の経営を安定させる大きな強みとなる一方で、「具体的な算定要件がよくわからない」「計算方法は?」「法改正で何が変わったの?」と疑問に思う経営者や管理者、サービス管理責任者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援体制加算の基本から算定要件、単位数の計算方法、さらに最新の報酬改定における見直しポイントまで、分かりやすくお伝えします。
参考資料:
障害福祉サービス費等の報酬算定構造 厚生労働省 令和8年度
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.7 厚生労働省 令和7年1月24日
就労移行支援体制加算とは、就労継続支援A型・B型、自立訓練(生活訓練)の事業所を対象とした加算です。
事業所の利用者が一般企業等へ就職し、その後6ヶ月以上継続して雇用された(就労定着した)実績がある場合に、その実績に基づいて翌年度の1年間、事業所全体の基本報酬に加算が上乗せされます。
単に就職させるだけでなく、就職後の定着支援を丁寧に行い、長く働けるようにサポートしている事業所を高く評価する仕組みとなっています。
就労移行支援体制加算を算定するためには、以下の基本要件をすべて満たしている必要があります。
(1) 前年度に、事業所を経て一般企業等に就職し、6ヶ月以上継続雇用された利用者(就労定着者)が1名以上いること
(2) 雇用形態(正社員、パート、アルバイトなど)や労働時間などの労働条件は問わない
(3) 都道府県知事または市町村長に事前の届出を行っていること
【注意:対象外となるケース】
・就労継続支援A型事業所の利用者としての移行(例:B型からA型への移動など)
・施設外支援の対象となる「トライアル雇用」期間中のもの
・就職後、6ヶ月未満で離職してしまった場合
就労継続支援B型事業所で加算される単位数は、事業所の定員区分に応じた「利用定員及び平均工賃月額に応じた所定単位数」に、「前年度の就労定着者数」を掛け合わせて計算します。
例えば、事業所の所定単位数が35単位で、前年度の就労定着者が2名だった場合、35単位 × 2名 = 70単位が、翌年度の1年間、日々のサービス提供ごとに利用者全員分に加算されます。
実績が出れば出るほど、翌年度の報酬が大きくアップする仕組みです。
就労移行支援体制加算I
対象:就労継続支援B型サービス費I、IIを算定する事業所
| 職員配置 | 平均工賃月額 | 単位数 / 日 |
| 7.5:1以上 6:1以上 |
(一)4.8万円以上 | 93単位 |
| (A)4.5万円以上4.8万円未満 | ||
| (二)3.8万円以上4.5万円未満 | 86単位 | |
| (B)3.5万円以上3.8万円未満 | ||
| (三)3.3万円以上3.5万円未満 | 79単位 | |
| (C)3万円以上3.3万円未満 | ||
| (四)2.8万円以上3万円未満 | 72単位 | |
| (D)2.5万円以上2.8万円未満 | ||
| (五)2.3万円以上2.5万円未満 | 65単位 | |
| (E)2万円以上2.3万円未満 | ||
| (六)1.8万円以上2万円未満 | 58単位 | |
| (F)1.5万円以上1.8万円未満 | ||
| (一)1万円以上1.5万円未満 | 51単位 | |
| (一)1万円未満 | 48単位 |
就労移行支援体制加算II
対象:就労継続支援B型サービス費IIIを算定する事業所
| 職員配置 | 平均工賃月額 | 単位数 / 日 |
| 10:1以上 | (一)4.8万円以上 | 90単位 |
| (A)4.5万円以上4.8万円未満 | ||
| (二)3.8万円以上4.5万円未満 | 83単位 | |
| (B)3.5万円以上3.8万円未満 | ||
| (三)3.3万円以上3.5万円未満 | 76単位 | |
| (C)3万円以上3.3万円未満 | ||
| (四)2.8万円以上3万円未満 | 69単位 | |
| (D)2.5万円以上2.8万円未満 | ||
| (五)2.3万円以上2.5万円未満 | 62単位 | |
| (E)2万円以上2.3万円未満 | ||
| (六)1.8万円以上2万円未満 | 55単位 | |
| (F)1.5万円以上1.8万円未満 | ||
| (一)1万円以上1.5万円未満 | 48単位 | |
| (一)1万円未満 | 45単位 |
就労移行支援体制加算III
対象:就労継続支援B型サービス費IV、Vを算定する事業所
| 職員配置 | 平均工賃月額 | 単位数 / 日 |
| 7.5:1以上 6:1以上 |
- | 42単位 |
就労移行支援体制加算IV
対象:就労継続支援B型サービス費VIを算定する事業所
| 職員配置 | 平均工賃月額 | 単位数 / 日 |
| 10:1以上 | - | 39単位 |
就労移行支援体制加算は、近年の報酬改定(令和6年度改定など)において、適正な運用を目的とした見直しが行われました。特に実務に関わる以下の2点に注意してください。
1. 同一利用者への複数回算定の厳格化
過去3年間において、すでにその利用者の就職に伴い当該加算が算定されている場合、原則として再度の算定は想定されていません。
離転職を複数回繰り返す不適切なケースを防ぐため、再度算定する場合は「市町村長が適当と認める者」に限定されることになりました。
令和8年度の報酬改定では、不適切な算定を防ぐための適正化として一事業所で1年間に加算対象としてカウントできる就職者数は、「その事業所の利用定員数まで」が上限として設定されました。
2. 復職時における定着期間の取り扱いの明確化
休職からの復職において一時的に事業所を利用し、その後改めて一般就労へ戻った場合、6ヶ月の定着期間の起算日は「復職した日」とすることが明確化されました。
加算を確実に取得し、実地指導(運営指導)でも指摘を受けないためには、日頃からの書類管理と定着支援が鍵となります。
客観的な証明書類の保管
一般企業で6ヶ月以上継続して雇用されていることを証明するため、就職先企業から「在籍証明書」を発行してもらうか、「給与明細の写し(6ヶ月分)」などをしっかりと回収し、事業所に適切に保管しておく必要があります。
就労定着支援とのスムーズな連携
就職直後の離職を防ぐため、事業所による定期的な面談や企業訪問などのアフターフォローが不可欠です。
また、就職後7ヶ月目からは「就労定着支援事業」へスムーズに引き継げるよう、地域の社会資源との連携体制を構築しておきましょう。
※ 算定に関する注意
本記事で解説している算定要件や必要書類(在籍証明書など)は、厚生労働省の一般的な基準に基づいています。複数回算定の例外規定の判断や、実地指導で求められる書類の詳細は、各自治体(指定権者)によって解釈が異なる場合があります。実際に算定や届出を行う際は、必ず管轄の窓口や最新の手引き等をご確認ください。
就労移行支援体制加算は、利用者の一般就労への夢を叶えつつ、事業所の経営基盤を強固にできる素晴らしい加算です。
算定のためには、「就職者数を増やすこと」だけでなく「6ヶ月以上長く働き続けられる環境づくりと丁寧なサポート」が何よりも大切になります。
最新のルールを正しく理解し、ぜひ日々の素晴らしい支援実績を翌年度の加算取得に繋げていきましょう。
弊社が提供している施設運営システム「HUG」は、就労移行支援・就労継続支援B型事業所や相談支援、放課後等デイサービス、児童発達支援事業所の事業運営に必要なすべての業務をサポートします。
「就労移行支援体制加算」についても、施設の設定情報を登録するだけで、自動で請求データへ反映させることが可能です。
加算の算定ミスや漏れを防ぎ、健全な施設運営を実現します。
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